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-脂肪肝にかかってしまっても、将来の肝硬変や肝がんの発症を予防することはできますか? |
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河田:もちろんです。早期発見・早期治療が大切なことは他の病気同様です。ただ、脂肪肝には治療薬がまだないんです。治験は進んでいるもののまだ承認されたものはありません。 |
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-治療薬がないとは驚きました。では、どんな治療をするのですか。 |
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河田:生活改善で脂肪肝の「原因」を排除していただくことになります。主なものは次の3つです。 |
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-ダイエットとしてはそれほどキツくなさそうで、これならやれるかも…。 |
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河田:最初からあまり頑張って食事制限しようとすると長続きしません。無理せずに継続して、半年で2㎏減を目指すくらいでよいと思います。ただ、どうしても食べる量を減らせない場合には、痩せるための薬を処方することもあります。ごく一部ですが、胃の一部を切除する手術も行われています。 |
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-量だけではなく“食べ方”の改善が大事なんですね。 |
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河田:とにかく一番よくないのは例えば深夜にラーメンのような炭水化物を摂ることです。就寝2時間前以降に食べたもののエネルギーは、睡眠中には消費されず蓄積されてしまうのです。今はCOVID‐19の影響で外で飲酒する機会は少ないと思いますが、深夜の仕事帰りの飲酒・食事は脂肪肝的には一番悪化させる要因です。また、少量でもアルコールを毎日飲み続けていると、自覚症状が鈍ることがあります。疲れか、酔っているのか、体調が悪いのかわからなくなってくる。仕事で疲れたからお酒を飲む。翌日も疲れがとれないのは、昨夜飲み過ぎたからだろうと思い、またその夜も疲れを紛らわすために飲む。病院を受診する機会もなく飲酒を続けているうちに、肝硬変に進んでしまうこともあります。 |
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-“脂肪肝はたいした病気ではない”というのは大きな誤解であることがよくわかりました。肝臓は沈黙の臓器と言われるだけに、自分自身で守らなければいけないですね。ありがとうございました。 |
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