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メルマガ2022.6.24

■PE共済会 メールマガジン【 第66号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
最近リモートワーク疲れを口にするスタッフを囲んでの交流会。日々の潤いを求めてたどり着いた先は。。(まんが 百万 友輝)
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蒸し暑い日が続くと、体や気分までダルさを感じてしまいますよね。そんなこれからの時期、スーッとした香りや清涼感のある「ハッカ油」を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
漢方の生薬としてもつかわれる「薄荷葉」には、発汗解熱や健胃・健腸作用、亢精神作用や感染症予防効果などたくさんの効果・効能があります。
そんなハッカを気軽に使える「ハッカ油」はドラックストアなどで数百円で手に入ります。
水に数滴たらすだけで、ルームスプレー(油浮きが気になる方は、無水エタノール/10mlにハッカ油を5~10滴垂らしてよく混てから水20mlを混ぜれば完成)や、水を90ml前後に減らして濃度を変えれば簡単な虫除けスプレーにもなります。殺菌・消臭効果があるので、生乾きの衣類や汗の匂い抑えや、夏場のマスク利用にも重宝しそうですね。ただし、アレルギーのある方や乳幼児、ペットなどがいる場合の使用量は控えめに。原液は刺激が強く薄めて使うのが基本です。
さて、コロナ禍ですっかり定着したリモートワークですが 「最近、何となく調子悪いな」と感じている方はいらっしゃるでしょうか?
今回のコラムは、そんな悩みを解決するヒントになるかも知れません。自身の『くせ』を発見して、ケアする方法を教えていただきました。
今月も最後までお楽しみください。
PE共済会 事務局 藤原
はじめよう!
「ジブンゴト健康経営」
< 特別インタビュー>
“リモートワーク不調”をもたらす「3つのスギ」
リモートワークが長期化するとともに、心身の不調を訴える人が増えてきているようです。在宅での勤務が続く中、どう体調管理しながらパフォーマンスを上げていくかはプロエンジニアにとって切実な問題ですよね。自分自身の「習慣」と、作業スペースの「環境」を見直すことで不調から脱却する―――そのポイントを佐藤さとみさんにうかがいました。(インタビューは2022年4月15日、オンラインで行いました)
お話:佐藤さとみさん
(東京労災病院治療就労両立支援センター・作業療法士)

聞き手:中保裕子
(医療ライター/有限会社ウエル・ビー)
生活のメリハリがパフォーマンスに影響する
―在宅でのリモートワークの影響で心身の不調を起こしている人が増えているそうですが、その理由は?
佐藤:在宅ワークは時間調整がしやすく、個人や家庭に合ったワークライフバランスを実現しやすいというメリットがありますが、その反面、時間的にも環境的にも、仕事とそれ以外の時間の切り分けが難しく、個人の性格や家族の協力体制によってメリットにもデメリットにもなってしまいます。通勤時間の代わりにエクササイズタイムや、家事や子どもと接する時間をつくったりしている人は在宅ワークに対する満足感が高く、仕事のパフォーマンスも高い一方、在宅ワークを「通勤しなくてよい」「いつでも家事ができる」ととらえている人はだらだら仕事をする傾向にあり、結果的に在宅ワーク前よりも長時間仕事をしていることが報告されています。仕事と休みのメリハリがなくなるとパフォーマンスは低下し、体調も悪化しやすいのです。独身、一人暮らし、若い人は後者のだらだら型が多く、自分のパフォーマンス低下に気づきにくい傾向があります。
「座りすぎ」はタバコ同様の害
佐藤:もう一つの問題は、一日の情報機器作業(PC、タブレット、スマートフォンなどを使用した作業)に費やす時間の長さです。起きてから寝るまで一日中、長い時間座ったままでモニター画面を見ている上、仕事以外の時間も30%はスマホやタブレットに費やされていることが私たちの調査からわかりました。
PC作業は、目や脳、指の先などはすごく活発に活動していますが、頭の位置や手の動きなどは制限され、時間的にも身体活動的にも拘束性が強い作業です。それを長時間集中することによって、姿勢のゆがみや低活動による不調が生じることがあります。特に問題なのは「座りすぎ」「うつむき過ぎ」「見つめ過ぎ」の3つです。
資料提供:佐藤さとみさん
第一に「座りすぎ」。日本人が1日のうちで座っている時間は国際的に見ても非常に長いのです。座っているときの運動量(身体活動量)はベッドのなかで横になっているときと同じ1METs(運動強度の単位:メッツ)しかなく、寝たきりと同じ状態だと思ってください。不活動から、下半身そして全身の血流低下が起こり、筋骨格系の痛みやゆがみが生じ、胸郭や肩が硬くなると、呼吸もしづらくなります。
●身体活動強度「METs」
メッツは国際的に使われている運動・活動強度の単位。数値は安静時を1として示される。
【 身体活動・運動の強度と量の指標 】
(日本健康運動研究所 ホームページより)
また、座りすぎは腰への負担もかかります。立っているときより座っているときの方が腰にかかる負担は大きく、特に疲れて前のめりの姿勢になると1.85倍の負担がかかります。長時間脚を動かさないことで血液循環も悪くなり、心臓疾患やⅡ型糖尿病といった疾患のリスクも上がります。このような状態が続けば頭にもやがかかったようになり、集中力、思考力が低下する状態「ブレインフォグ」にも陥りやすくなります。
海外では「Sitting is new smoking」とか「Sitting is killng you」という標語もあり、座りすぎはタバコと同じくらい体に悪いことだとされています。30分~1時間に一度はトイレに立ったり、コーヒーを淹れに行くなど、少しでも動いてほしいですね。
-スマホを見るとき、首には3~5倍の負荷が
佐藤:PC作業が拘束性強いのとは逆に、スマートフォンは自由度が大きいのですが、小さい画面をのぞきこむことで姿勢が前方にうなだれ、ゆがみやすいという特徴があります。実は人間の頭は重くて、4~6kgもあるんですね。私たちの調査では、立ってスマートフォンを見ているときの首の角度は37度±14度ですので、実に20kgくらいの負荷が首にかかっていることになります。自宅でさえトイレに行くまでの間に無意識に歩きスマホをしている人も少なくなく、「うつむき過ぎ」で首が痛くなるのも当然なのです。
(Kenneth K. Hansraj. Surgical Technology International.2014 Nov.25: 277-279)
一方、PC作業での首への負荷はどうかというと、デスクトップPCの場合15㎏程度。ノートPCはモニターの位置が低いのでより大きくなります。うつむき姿勢を長時間続けることで脊柱のゆがみが生じ, 頸や肩のこり、頭痛、ひどくなるといわゆるストレートネックや脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア等、手術が必要になることもあります。ノートPC用のスタンドや、外付けキーボードなどなるべく首に負担がかからないツールを用いるのもよいと思いますが、座りっぱなしの同じ姿勢ではだめ。やはり「動くこと」が大切です。
第三の「見つめ過ぎ」の影響としては、目の痛みのほかに顔の筋肉が緊張し血流が悪くなります。そのため、首や肩こり、緊張性頭痛、集中力低下などの影響があるといわれています。リモート会議や電話、家族との会話などしゃべる機会があれば解消されますが、一人暮らしの方が会議もなく、ひたすら作業に没頭する日には要注意です。
モニター画面からのブルーライトも長時間さらされると体内時計(サーカディアンリズム)を狂わせ、自律神経の働きにも影響することがわかってきました。睡眠障害やメンタルヘルスへの影響のほか、肥満やがんにも影響すると考えられています。
また、集中している時に無意識に歯をかみしめるくせがあると、顎関節症の原因になります。実際に顎関節症はいまとても増えているのですが、コロナ禍でしゃべる機会が減ったことが影響しているのかもしれません。
自分の習慣に気づき、何から改善できるか考える
-3つの「スギ」の中ではどれが最も重要ですか?
佐藤:「座りすぎ」が一番問題です。仕事に最適な環境があっても、そこにいる時間が長ければ長いほど不調の原因になるので、自宅内に「よい姿勢のブース」「ちょっとリラックスした姿勢で作業できるブース」など姿勢を変えられる環境を作っておくとよいですね。スタンディングデスクやソファで使えるテーブルなども、姿勢を変えるために使うのには良いと思います。プライベートの時間もたとえば映画を2時間、ソファで同じ姿勢のまま見ていないかなど、行動パターンを見直してみてください。
-最後にプロエンジニアへのアドバイスをお願いします。
佐藤:不調の原因は「習慣」にあります。ですから市販のいろいろな商品を用いて改善しようと試みるよりも、まず自分の行動パターンと習慣・環境に気づき、どうすれば不調の原因となる行動を改善できるかを自分自身で考えることをおすすめします。私たちが作成した「行動パターンチェックシート」を使ってぜひ振り返ってみてください。不調があってもそのまま仕事を続けていると仕事のパフォーマンスが低下し、企業でいま問題になっている「プレゼンティズム」(出勤はしていても健康上の問題で最善の業務ができなくなる状態)となります。在宅ワークでは他人に気づかれないだけにオフィスワークよりも一層深刻です。フリーランサーの皆さんも、なんとなく仕事が乗らない日や調子が悪い時には休めるよう、自分の体調への気づきをもっていただきたいですね。
あなたの行動パターンはだいじょうぶ?
セルフチェックをしてみよう!
現在のあなたのリモートワーク環境や行動パターンが、パフォーマンス低下のリスク要因になっていないかどうか、チェックしてみましょう。
「行動パターンチェックシート」
(東京労災病院治療就労両立支援センター「しごとやプライベートでのVDT作業を快適に 今日からできる行動改善ガイド」
(東京労災病院治療就労両立支援センター「しごとやプライベートでのVDT作業を快適に 今日からできる行動改善ガイド」
【 参考資料 】
国でもリモートワークに適した環境のガイドラインを作成しています。こちらは企業の労使管理向け資料ですが、P30 ~31に、自宅でのよい作業環境について具体的に述べられています。
厚生労働省「 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラインパンフレット
【プロフィール】佐藤さとみさん
作業療法士。2006年帝京平成大学健康メディカル学部作業療法学科卒業後、東京労災病院リハビリテーション科に入職、作業療法士として病気やけがで障害を受けた方の社会復帰を支援。2015年からは同病院内の治療就労両立支援センターで、予防医療(働く人が病気やけがを防ぐための研究)や治療と仕事を両立するための研究活動に従事している。
【ライター】中保裕子
医療・健康ライター ウェルネスマーケティングディレクター
中保裕子(なかほゆうこ)
有限会社ウエル・ビー 代表取締役 https://well-be.biz
<略歴>
広告代理店マーケティング企画部勤務、マーケティングコンサルティング会社取締役を経て1993年に独立、フリーランスとして活動後、2003年より法人化。 医療・健康情報の取材・記事執筆に従事。
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共済まんが
「がんばれ! PE(ぺー)助 」
「うつ病」は誰にでも発症する可能性のある身近な病気です。症状がしばらく続いているなと思ったら、思い切って医療機関を受診してみましょう。PE共済会の「所得補償手当て」は、うつ病などの精神疾患にも対応しています。「傷病手当金」のないフリーランスの強い味方です。
漫画<百万 友輝>
次回もお楽しみに!!
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