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メルマガ2023.04.21

■PE共済会 メールマガジン【 第71号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
結婚したての山野さんを囲み盛り上がるメンバー。そこに何だかソワソワしたPE助の姿が。。(まんが 百万 友輝)
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桜の見ごろも平年より早く今年はあっという間でしたね。新年度を迎え新しい環境でお仕事を始められた方も多いことでしょう。
PE共済会のメールマガジンでは、隔月でプロエンジニアの皆さまの生活に役立つ情報を発信しています。
今回のコラムは「防災」をテーマに取り上げます。
関東大震災からちょうど100年を迎える今年は、各所で防災をテーマとした催しが予定されています。それに先駆けて本メルマガでは、テレワークが普及した現在の新たなBCPについて、防災系Youtuber・Voicyパーソナリティとしても活躍中の防災アドバイザー高荷智也さんに在宅ワーク時の備えについて教えていただきました。
PE共済会 事務局 藤原
もしもの備えしてますか?
SES在宅ワーカーのための防災・BCPガイド
「生命」と「通信」を守る事前対策2つのポイント
毎年の様に「想定外の災害」という言葉を見聞きする昨今ですが、実際の所「災害」というものは増えているのでしょうか。
例えば台風や大雨を原因とする風水害は、地球温暖化による海水温度の上昇という影響を受け、増加傾向にあります。具体的には、1975年以降の直近40年間において、「数十年に1度の大雨」は頻度が1.5倍に、「数百年に1度の超大雨」は頻度が1.8倍に増加しています。梅雨から台風シーズンにかけての大雨は、実際に増えているのです。
また、SNSやネットニュースが身近になるにつれ、どこかで災害が発生しますと、発生から10分後にはTwitterのトレンド欄に入り、30分後にはYahoo!トピックスに掲載されるようになりました。従来は地方の新聞に掲載されて終わりであった災害の多くが、全国ニュース化されるようになり、体感的にも「災害が増えたような」気がしているのです。
自然災害大国日本において、防災対策は「するかしないか」ではなく、「いつ・誰が・どのように」するかで論じなければならない対象です。このコラムでは、SES契約を行いながら、主にテレワークでお仕事をされる方にぜひ実践いただきたい、事前防災とBCP・事業継続計画のポイントについて、解説をいたします。
図1:地球温暖化による大雨の規模・頻度の増大
温暖化は気のせいではなく統計上の事実であり、この影響により実際に大雨の規模や頻度も大きくなっています。しかもこの状況は止まるどころか加速しているという点が大きな問題なのです。
出典:気象庁(大雨や猛暑日など極端現象のこれまでの変化) 補足:高荷智也
SES在宅ワーカーの防災・BCPのポイント
防災対策の検討やBCPの計画を立てる際には、ゴールのイメージを持つことが重要です。最初にSES在宅ワーカーにおける非常時の備えについて、イメージを膨らませてみましょう。
大地震による被害は「想定外」とは言えない
高級なワークチェア、デュアルディスプレイ、イイ感じのBGM、上半身はワイシャツで下半身はジャージ…テレワークをする際に整えたい各種の要素ですが、このなかに「防災対策」は入っているでしょうか。クライアントのオフィスへ出勤していれば、建物内の防災対策は企業の責任によって行われますが、在宅ワーカーの命は自分で守らなければなりません。
とりわけ「大地震」は事前予知ができず、必ず突発的に発生するため、事前対策の有無がそのまま生死につながります。一方で大地震を自然現象として捉えれば「ただ揺れるだけ」であり、耐震化のされた建物内で、家具の固定や荷物の落下防止を行えば、個人の対策であっても被害をほとんど無くすることができます。
対策をすれば被害が軽減できる、これが分かっていながら地震に対してノーガード戦法を取り、結果として負傷した。これははたして「想定外の被害」と呼べるでしょうか。また負傷だ>けならば良いですが(良くはありませんが)、命を落とすことになってしまえば、もう後悔をすることもできません。在宅ワーカーの防災は必須事項なのです。
SESエンジニアに必要な「BCP」のポイント
命を守る防災対策に対して、BCP・事業継続計画ではどのようなことを考えれば良いでしょうか。BCPの目的は非常時においても、特に重要な業務を止めないための計画ですが、これは何も「自宅が津波に流されたとしても納期を守れ」とか、「地域のインフラが壊滅しても自家発電で業務を継続せよ」とか、そういうことを求めてはいません。(近年では多くの企業が、まず命の安全を確保することを第一に考えるようになっています。)
もちろん、業種・業界によっては上記のようなことが求められる場合もありますが、基本的には「複数拠点の同時稼働」という形で実現します。つまり企業側の視点で言えば、SES契約をしており、かつテレワークをしているエンジニアは、「物理的に分散されたリソース」と見なせるため、皆様自身がクライアント側のBCPの要素になっているのです。
この時に重要な対策は、前述の様な「自宅が倒壊しても仕事を止めない」ための準備ではなく、「自宅が倒壊したら現状を確実に報告する」ための準備となります。SES契約のメリットは「成果物」そのものを自分だけでコミットしていないことです。自分が稼働できないことをすばやく、確実に伝える準備が、SES在宅ワーカーにおけるBCPのポイントになります。
ポイント①:命を守る防災対策
ここから、事前対策に関する具体的なポイントについて解説をして参ります。BCPで重要な対策は「重要業務の遂行に必要な経営資源を守る」ことですが、SES在宅ワーカーにとっての「重要な経営資源」とは、他ならぬあなた自身のことです。すなわち、命を守るための対策が、そのまま業務を守るBCPに直結するということになります。
ハザードマップによるリスクの想定
日本では北海道から沖縄まで、どこにでも「大震災」をもたらす規模の地震が生じます。そのため地震の「揺れ」に対する準備はどこであっても必須なのですが、地震による津波、台風や大雨による浸水や土砂災害、火山の噴火といった災害は、地形により生じる場所があらかじめ決まっており、この情報は「ハザードマップ」として可視化されています。
今目の前にパソコンかスマホがありますね?ブラウザで「重ねるハザードマップ」と検索してください。国土交通省が運営している地図が表示されますので、自宅を表示させてください。画面の左上には「洪水・土砂災害・高潮・津波」のボタンが表示されていますが、これを押すことで周辺の災害による影響を色で表示させることができます。
自宅が何かしらの災害の影響を受け、そのまま留まると命に危険が生じると考えられる場合は、災害発生時に避難が必要です。逆に災害による影響がなかったり、マンションにお住まいで「自分の部屋の高さ」には影響がなかったりする場合は、避難が不要となります。防災の方向性・避難の必要性を判断するためにも、まずハザードマップの確認が重要です。
図2:重ねるハザードマップ
地図の中心にPE共済会の本部を配置しています。津波・土砂災害・高潮・洪水全ての影響をまぬがれる立地ですが、周辺では被害が想定されるため、非常時には建物内に留まる準備が必要になります。と言うようなことを、自宅周辺で確認してください。
出典:重ねるハザードマップ(国土交通省)
地震対策と水害対策
地震への備えはどこであっても重要です。最重要対策は「大地震の直撃をうけてもつぶれない」建物に住むこと、具体的には1981年6月1日以降に建築確認申請を受けた、いわゆる「新耐震基準」以降の建物に住むことが重要です。これより古い建物は、大地震の揺れで即倒壊するおそれがあります、引越か耐震リフォームの検討が必要です。
建物に問題が無ければ、室内の安全対策を行います。特にテレワークを行うことになる作業場所周辺を安全な環境にしてください。家具の転倒防止、家電の移動防止、荷物の落下防止、ガラスの飛散防止、これらを行えば、大地震で即死する可能性はかなり低くなります。火災に備えた住宅用消火器の準備もあわせて行えれば完璧です。
ハザードマップをチェックした際に、自宅に留まると命に危険が生じる可能性があると分かった場合は、安全な避難場所へ走って逃げる準備が必要です。いわゆる「防災リュック」を作成し、大地震が発生した直後や、避難指示が発表されたタイミングで自宅を飛び出せるように準備をして置きましょう。
セキュリティの対応について
災害時は「助け合い」や「絆」という言葉がよく見られますが、実際には良い話ばかりではなく、「空き巣」や「火事場泥棒」といった犯罪行為も生じてしまいます。そのため避難を行う際にも、時間的な余裕があれば平時の外出時と同じ対応をとることが必要です。
PCや資料をセキュリティ対応として鍵付きのキャビネットなどにしまっているのであれば、避難時にも同様の対応をとった上で、自宅を出る際には窓やドアを施錠します。ここまで行ってそれでも盗難などの被害を受けた場合は、さすがに免責と言えるでしょう。
一方、大地震による津波や台風による洪水など、時間的な猶予がない場合はとにかく避難を優先してください。その上で、預かっている機材や資料がなくなった、あるいはどうなっているか分からないという状況になった場合は、その旨をクライアントへ正確に伝えることが重要です。(非常時における機材管理をどこまですべきか、なども契約条件として確認しておけるとよいですね。)
ポイント②:通信環境と電源の確保
災害の影響から命を守り、自分と家族の身の安全を確保した後は、お仕事のことを考えなくてはなりません。この場合に必要な準備は、「できるだけ早くクライアントに連絡を取り、状況を伝えるための準備となります。
安否確認への「回答」が重要に
前述の通り、SES契約をしている在宅エンジニアにとって重要なBCPは、命に代えても成果物を納品することではなく、命を守りつつ状況を報告することになります。成果物の納品に対するBCPはクライアント側が検討すべき項目であり、そのためにクライアントが欲する情報は、メンバーの安否と業務対応の可否となります。
企業によっては、安否確認システムが導入されており、大規模な災害が発生した際には登録されている従業員・メンバーに対して各種の方法で通知が飛びます。この仕組みが導入されている場合は、安否確認への回答をするための準備を整えることが、BCPとして重要な事前対策ということになります。
災害時には電話が通信規制のために使えなくなり、E-mailも大規模な遅延を起こす可能性があります。非常時にもつながりやすい通信手段はインターネットです。最近の安否確認システムも、インターネット経由で何かしらのコンタクトをとりにくるものが増えていますので、非常時においてもネット環境を維持することを目標にするとよいでしょう。
通信環境の確保
災害により停電が生じても、携帯電波の基地局(アンテナ)の多くは、非常用のバッテリーや発電器などでしばらく稼働します。2018年に「全道停電」が生じた北海道胆振東部地震においても、災害直後はスマホによる連絡ができたが、次第に基地局のダウンに巻きこまれて連絡が途絶える、という事態が多く生じました。
そのため、まずはスマホを活用して「携帯電波(4G・LTE・5Gなど)」を補足する手段を確保しましょう。デュアルSIM端末の活用、スマホの2台持ち、家族の契約キャリアを分ける、といった方法が有効です。携帯電波をキャッチできれば、安否確認の受信、SNSやグループウェアによるチーム内の連絡を取ることができるようになります。
停電が長期化する場合は、携帯電波を使った通信もできなくなります。00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)などの無線LAN開放もありますが、これも地域が停電すると使用できなくなります。確実なネット環境を持ちたい場合は、スペースX社が2022年より提供を開始している衛星ネットサービス「スターリンク」を検討するのも方法です。
スターリンクは空が広く見渡せる場所であれば、どこでも高速なインターネット接続ができるようになるサービスです。機材費としての初期費用が3万6500円、プロバイダ込みの月額利用料が9900円でブロードバンド接続が可能になりますので、立地がよければ普段使いできるサービスになっています(金額は記事執筆時点)。また、BCPの要素として導入する場合は、確定申告時に全額を経費計上することも検討できます。 さらに今後、スマートフォン端末のみで衛星と通信ができるサービスも計画されています。非常時における通信環境の維持には有効なサービスと期待されますので、ぜひ最新の情報をチェックしてみてください。
電源の確保
各種の通信端末を確実に動かすためには、充電手段・電源が必要です。日頃からモバイルバッテリーなどを活用している場合は、これを非常時にも使える様にしてください。防災リュックなどに予備電源を入れておきたい場合は、10年保存しても使用できる乾電池(パナソニックのエボルタなど)による「乾電池スマホ充電器」がオススメです。
住宅設備として電源を確保しにいくのであれば、住宅用太陽光発電+住宅用蓄電池の組み合わせや、PHEV(電気自動車)+V2H機器を組み合わせることで、停電時にもほぼ普段通りに電気を使うことができるようになります。この場合は安否確認において「地域は全滅したがわが家は平常通りです」という、高評価の回答ができるようになるでしょう。
ただ、住宅設備による停電対策は費用が高額です。ローンを組まずにボーナス一括払い程度で導入出来る対策としては、ポータブル電源の活用がオススメです。基本的には高額になるほど「AC出力」と「定格容量」が大きくなりますが、スマホ・PC・Wi-Fiルーター程度の稼働であれば、500W程度の中型機で十分活用できます。
一方、上記の機器に加えて、「何に使うか分からないが、全ての家電を動かせるようにしておきたい」という場合は、AC出力が1500W以上あるものを選べば、壁のコンセントと同じ出力を得られますので、100Vの家電は全て使える様になります。いずれの場合も、モバイルソーラーパネルなどと併用できると、より長時間の稼働ができるためおすすめです。
図3:各種ポータブル電源
モバイル機器につよいAnkerのポータブル電源各種です。平時からコンセントに挿しっぱなしでもバッテリーが劣化せず、また簡易UPSとして使用ができるため、在宅ワーカーにおすすめの機種となっています。アウトドアやキャンプでも活用できますね。
撮影:高荷智也 機材:Anker JAPAN
終わりに
今回のコラムでは、突発的に生じる災害に対する備えとして、「生命」と「通信」を守るための2つのポイントについてお話をいたしました。BCP!事業継続計画!と言うと難しく聞こえますが、自分自身が災害時に果たすべき最重要項目は何かを考え、これを実現するポイントに絞った対策であれば、それほど難しいことはありません。
BCPは立場により目的や手法が変わります。SES契約のクライアントは、業務を止めない対策をBCPとして構築しますが、SES契約のワーカー側は、被災時にクライアントへ確実に連絡を取ることが、BCPの要素として必要になります。
自分と家族の命を守ることができ、クライアントやチームメンバーと連絡を取り合うことができれば、後はなんとかなります。しかしこの、命を守る・通信手段を確保する、という行為は、ある程度準備をしなければ得ることができない項目でもあります。非常時の備えは発災時ではなく平時が本番、今のうちにできることから対策を進めてください。
< 執筆者のご紹介 >
高荷智也(合同会社ソナエルワークス 代表|備え・防災・BCP策定アドバイザー)
「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、「自分と家族が死なないための防災対策」と「企業の実践的なBCP策定」のポイントを理論で解説するフリーの専門家。大地震や感染症など自然災害への備えから、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝える活動に定評があり、講演・執筆・メディア出演の実績も多い。著書に『今日から始める本気の食料備蓄』『中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド』など。防災YouTuberとしても多くの動画を配信中。1982年、静岡県生まれ。
公式サイト「備える.jp」https://sonaeru.jp
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共済まんが
「がんばれ! PE(ぺー)助 」
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