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メルマガ2017.1.31

■PE共済会 メールマガジン【 第16号 】確定申告特集「小規模企業共済を有効に活用するには?!」

こんにちは。PE共済会事務局の藤原です。

大雪が降ったと思えば、季節外れの暖かさ。。。皆さま体調、崩されていませんか??
さて、毎年プロエンジニアの皆さまの確定申告サポートを一手に引き受けているチーム担当者より、「確定申告」に関連するコラムを2回にわたりお届けいたします。

「小規模企業共済を有効に活用するには?!」
株式会社MCEAホールディングス 確定申告サポートチーム

PEの皆さん
毎年恒例の確定申告が近づいてきています。
領収書の整理入力など準備は万全ですか?
PE-BANKの確定申告サポートAを利用される方は、参加登録はお済みですか?
すでに参加登録は〆切となっていますが、参加希望の方は今すぐにお問い合わせくださいね!

今回のテーマは確定申告でおなじみの「小規模企業共済」です。

小規模企業共済を有効に活用するには?!

小規模企業共済とは国がつくった経営者向けの退職金制度です。
詳しい制度についてはHP(「小規模企業共済ホームページ」)を見ていただくとして、ここでは活用事例を紹介いたします。

今回のポイントは、掛金の節税効果と実際の共済金受取時の税金について、具体的な事例でご紹介します。

 ・ 将来に向けての備えは貯蓄!という方
 ・ お金に余裕はないし加入なんて考えてないよ!という方
 ・ いつまでフリーランスを続けるか分からないし加入してもなぁ~という方
 ・ 本当に節税できるのか?どのくらい出来るのか分からないよ?!という方
 ・ 小規模企業共済って解約するとどうなるの?という方     などなど

そのような方々にお読み頂けたら嬉しいです。

それではまず、今回ポイントとなる制度概要を押さえましょう!

・ 掛金は毎月1,000円から70,000円で全額所得控除ができる。

・ 65歳以上での任意解約は税法上退職金扱いとなる。(65歳未満は一時所得)

・ 任意解約した際の解約手当金は20年以上の掛金納付月数で元本割れをしない。

ポイント① 小規模企業共済は早くからの加入がおすすめ

 小規模企業共済はよくある年金制度とは違い、万一の場合は、任意解約して今までの掛金を手元に戻すことが出来ます。
ただし、20年以上掛金納付しなければ元本割れしてしまいます。
掛金は毎月1,000円からでOKです。
加入を検討しているならば、今すぐにでも1,000円から始めましょう!

ポイント② 一時所得扱いになる任意解約はできれば避けること

 開業して小規模企業共済に加入はしたけど、お金がいるのでと安易に任意解約すると、解約手当金を受け取り大きな税金がかかるケースが多いです。
なぜなら65歳未満で任意解約すると一時所得となるからです。

◆ 例えば毎月50,000円で5年間積立し、任意解約した場合

毎年の確定申告での節税効果は所得税(10%と仮定)と住民税(10%)で12万円となり、5年で60万円となります。
任意解約では、元本割れしてしまい手元には約8割が戻り240万円を受け取ることになります。
任意解約による元本割れ損失60万円が発生し、5年での節税効果がなくなってしまいます。
さらに240万円は一時所得となるため以下のように税金を計算します。

 一時所得 → 〔 2,400,000 - 500,000(特別控除)〕× 1/2 = 950,000
 一時所得の税金 → 950,000 × 20%(所得税10%+住民税10%)= 190,000
 ※確定申告をすることになります。

つまり95万円が課税所得に加算され、上記同様の税率と仮定するなら、所得税と住民税を合わせ19万円の税金を支払うことになり、その分は損したことになります。

ポイント③ 事業を廃業した際には退職所得扱いになる

 事業を開業する時に、いったいどのくらいフリーランスでやっていけるのだろう?と考える人も少なくないと思います。
万一廃業を決断した場合は退職所得扱いになりますし、65歳以上まで継続できれば、任意解約でも退職所得扱いです。
退職所得は一時所得とは違い、退職所得控除という大きな特典がありますので、共済金を受け取るときに大変有利です。
※加入から6ヶ月未満で廃業、解約した場合は掛金納付した分が掛け捨てとなり戻りませんのでご注意ください。

ポイント④ だから小規模企業共済は早くからの加入が鉄板なんです!!

ここで重要なのは退職所得として共済金を受け取り、退職所得控除を上手く利用することです。

【 ケース 1 】

◆ 例えば開業後5年を経過した後、毎月70,000円(最大掛金)で契約積立し、その後事業を10年継続して廃業した場合 税率は、所得税(10%と仮定)、住民税10%とします。

掛金時の節税効果は年額84万円の20%で16万8千円となります。
10年間で168万円です。凄い金額ですね!
10年間の掛金納付総額は840万円となり、廃業の場合は元本割れはせず、総額に付加共済金がさらに加わり受け取れます。
ここでは付加共済金は考慮せず840万円の税金を計算してみます。

 退職所得 → 8,400,000 -〔 400,000円(年間退職所得控除)× 10年 〕× 1/2 = 2,200,000
 退職所得の税金 → 2,200,000 ×(所得税累進10%+住民税10%)= 342,500
 ※源泉徴収で確定申告不要の場合です。

840万円の退職金の税金は、342,500円となります。
つまり168万円の節税効果と受取時の税金をマイナスして、約134万円のプラスとなります。

【 ケース 2 】

◆ ケース1と少し違い開業と同時に加入し、当初月額1,000円で5年積立、その後増額で月額70,000円で10年積立後に廃業した場合

掛金の節税効果は、月額1,000円の時は5年で1万2千円、月額70,000円の時は10年で168万円となります。
共済金を受け取った場合の税金は以下のとおりになります。

 退職所得 → 8,460,000 -〔 400,000円(年間退職所得控除)× 15年 〕× 1/2 = 1,230,000
 退職所得の税金 → 1,230,000 ×(所得税累進5%+住民税10%)=184,500
 ※源泉徴収で確定申告不要の場合です。

846万円の退職金の税金は、184,500円となり、上記とは約16万もの違いがあります。
これは退職金の税金計算には加入期間が大きく関わり、毎年40万円の退職所得控除が特典としてあるからです。

お分かり頂けたでしょうか?!

掛金積立時の節税効果は分かりやすいですが、積立を止めて解約する時がもうひとつのポイントです。
小規模企業共済は資金に余裕ができた場合に加入するよりも、僅かな掛金でも加入し、加入期間を長くすることが重要なんです!!
そして万一の廃業の際には退職所得として共済金を受け取り、上手に積み立てれば税金ゼロも可能です。

ITフリーランスとして将来を設計するときには、PE共済会や小規模企業共済をうまく活用できるとよいですね。

< 注意事項 >
・小規模企業共済制度の付加共済金やその付加共済金の運用等については考慮していません。
・復興特別所得税や住民税の均等割などは考慮していません。
・所得税の税率は10%で計算していますが、累進課税のため申告内容によっては金額は大きく変わります。

PE共済会事務局からのお知らせ

いかがでしたか?PE共済会に関係する確定申告処理については、メルマガバックナンバーより(第4号「確定申告における保険料の取扱について」)をご参照ください。

次回も、「確定申告特集」第2弾をお贈りいたします。 お楽しみに。

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