メルマガ2018.9.28
■PE共済会 メールマガジン【 第32号 】
こんにちは。ファイナンシャルプランナーの古川みほです。
今年の夏は特に暑かったですね。近年増加しているゲリラ豪雨に加え、異常な進路の台風、地震までもありました。被災されたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。
さて、内閣府政策統括官(防災担当)が先月発表した平成31年度概算要求額(「平成31年度予算概算要求・税制改正概要」)によると、
・災害予防 1,026百万円( 815百万円)
・災害応急対応 2,204百万円(1,835百万円)
・災害復旧・復興 2,944百万円(2,844百万円)
・その他 745百万円( 739百万円)
※( )内は平成30年度予算額
来年度は本年度より7億円弱上乗せし、合計62億3千万円が概算要求されています。
本年度の国家予算は約97.7兆円ですから、その約0.07%が防災費ということですね。
それでは、国民年金、国民健康保険、介護保険といった社会保障関係費はどれくらいの割合を占めているかご存知でしょうか。税金の使われ方を知れば、きちんと納税しているフリーランスにとって国民年金保険料を未納にすることが「損」であるかがおわかりいただけると思います。今回は統計を少しご紹介しながら解説いたします。
国民年金と国のお金の関係を知るために、国のお金の使いみち「一般会計歳出」について簡単に触れておきましょう。
今年度の一般会計歳出はグラフのとおりです。新聞やニュースで見聞きする言葉ですが、今ひとつ身近に感じられませんね。そこで、みなさんの月収が977,128円だったとしてみると、わかりやすいと思います。各経費を家計に置き換えてみましょう。
・社会保障費 → 生活費 : 329,732円
・地方交付税交付金等 → 親への仕送り: 155,150円
・公共事業 → 税金 : 59,789円
・文教及び科学振興 → 教育費 : 53,646円
・防衛 → 保険料 : 51,911円
・国債費 → ローン返済 : 233,020円
・その他 → 臨時支出 : 93,879円
仕送りと返済を除いた収入の半分以上が生活費、なんとなくイメージできそうですね。
生活費、つまり社会保障関係費は納税額の半分以上を占めているということになります。
それでは、社会保障関係費のうち、年金関連にはどれくらいが使われているでしょうか。
平成30年度では11.6兆円、社会保障関係費の37.9%、国家予算全体の12%弱に該当します。家計に置き換えると、生活費329,732円のうち116,000円を年金保険料として支払っていることになります。確かにウエイトは大きいですね。この分を支払わなければもっと自分のためにお金を使えるのに、と思えてきます。
保険料支払いや年齢などの要件を満たした全ての国民が受け取れる年金が基礎年金です。会社員や公務員だけが上乗せして受け取れる年金が厚生年金です。
基礎年金には老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金がありますが、その財源を「基礎年金勘定」と言っています。
基礎年金勘定には、フリーランスなど第1号被保険者の国民年金保険料だけでなく、会社員や公務員など第2号被保険者がお給料から引かれる厚生年金保険料からも「拠出金」として入っているんです。
さらに、基礎年金勘定には保険料として集めたお金の他に「国庫負担」もあります。国庫負担とは平たく言うと税金です。
基礎年金勘定の中の国庫負担の割合は、平成21年3月までは3分の1、平成21年4月以降は2分の1です。せっかく納税しているのですから、その分を年金としていただかないともったいないですね。
きちんと国民年金保険料を納め、自分が必要な時にその分支てもらおうと考える人がここ数年増えています。
従来、公的年金制度に25年以上加入していないと65歳からもらえる老齢年金は受け取れませんでしたが、昨年8月より10年に短縮されました。もちろん、保険料を支払った期間が短ければ、支えてもらえる金額も少なくはなります。でも、24年払って払い損(完全には払い損にはならないのですが)になるよりはマシですね。
また、一定の条件に該当する障害者や遺族になると、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取れます。しかし、20歳から今までの3分の2以上の期間、保険料を払うか免除(学生納付特例などの猶予を含む)手続きをしていないともらえません。
ですが、平成38年3月末までに障害者になったり遺族になった場合には、その時点から過去約1年分の保険料を払っていたらもらえるという特例があります。対象となる状況にならない方が良いのでしょうが、今まできちんと保険料を納めていなくても、これから納めることで間に合うかもしれません。
日本の公的年金制度は「世代間扶養」つまり、今支えが必要な人を、今支えられる人が支えるという仕組みで成り立っています。今回はわかりやすく表現するためにあえて「損得」という表現を使いましたが、保険料の納付は、国民として日本社会で生活する私たちの義務でもあります。会社員に比べて自分を自分で守るべき要素が多いフリーランスだからこそ、税金の使われ方を知り、年金本来の目的であるセーフティーネットとして「自分のために」年金に加入しておきたいものです。
PE共済会では、本コラムを担当されている「暮らしのお金の保健室 古川みほ」先生へのライフプランニングを希望される方を募集中です。
ご希望の方は具体的なご相談内容を添えて、PE共済会事務局(kyousaikai@mcea.co.jp)宛にメールタイトル「ライフプランニング希望」をつけて、ご相談内容をお送りください。
暮らしのお金の保健室 古川みほ
暮らしのお金の保健室 代表 http://www.fpmiporin.com/
旅行会社、電話会社、保険代理店、損害保険会社、投資顧問会社、生命保険会社に勤務後、 2000年にフリーランスとして独立。生涯の生活設計・家計診断・保険の見直しを専門とし、相談、講師・講演、FP養成講座テキストなどの執筆および監修を行う。
特定の企業に所属せず代理店契約も一切しない数少ないファイナンシャル・プランナーである。
帝京大学非常勤講師、NPO法人FPネットワーク神奈川理事長として学生、社会人、失業者に向き合う一方、生活支援相談相談員、生活困窮者自立支援法に基づく家計支援相談員として、生活困窮者や精神障害を持つ方への相談や支援も精力的に行っている。
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PE共済会 事務局藤原です。先月に続き「防災」について取り上げます。前号で皆さまにご回答いただいた結果の発表と、先日西日本・北海道地方で起きた災害について、PE-BANKスタッフなどの体験談でお伝えいたします。
【 31号アンケート結果について 】
前号のメルマガ内にて「防災」に関するアンケートをさせていただきました。
「あなたの就業現場には災害への備えがありますか?」の質問に対し、結果は右図の通りです。大方の方は「はい(備えがある)」と回答されていますが、「いいえ(備えがない)」と回答されている方も約3割の方がいらっしゃいます。
不定期に現場が変わるというプロエンジニアの方も多くいらっしゃるでしょう。ですが、「災害」はいつどこで起きるか分かりません。
フリーランスとして働くプロエンジニアの方こそ、就業先の「備え」について知っておく、考えておくことが重要です。その他、クイズ回答フォームでも防災に関するアンケートを実施しています。
Q1の身近な災害についての質問では、「地震・津波」が56%と、もっとも多い回答でした。昨年の11月に内閣府から発表された「世論調査」においても地震は81%といちばん身近と考えられているようです。ただし、今年に入り「西日本豪雨」をはじめとする大型台風の上陸が相次いだためか、「台風・大雨・洪水・土砂災害」との回答も33%ありました。
Q2では日ごろの防災意識の質問でしたが、75%が「あまり意識をしていない」と回答しています。Q2に付随した具体的な備えについての質問に対しては「待ち合わせ場所・方法を決めている」 「自宅周辺のハザードマップを作成し目につくところに貼っている」などの回答もありました。近年は、より多くの災害に対し備える必要が出てきて、何から手を付けてよいか分からない、という方もいらっしゃるでしょう。
例えば今すぐできること。無料の防災アプリがたくさん作られていますので、お気に入りを探して普段から使ってみるのもよいですし、国土交通省が提供しているハザードマップポータルサイト( https://disaportal.gsi.go.jp/ )では、住所を入力するだけで洪水・土砂災害・津波に関する情報を指定場所の地図に重ねて見ることができ、アンケート回答にもあったようなマップの作成を比較的簡単に行うことができます。あまり難しく考えず、身近なところから少しづつ始められてはいかがでしょうか。
続いて身近な体験者として、PE-BANKスタッフから被災当時のエピソードを寄せてもらいました。
災害エピソード① | 『まさかはある・・・』 | 岡山・広島支店所属 片岡 |
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私にとって自然災害が引き起こす出来事のすべては、テレビ画面の向こう側のことでした。 7月初旬の西日本地区に長く続いた大雨の影響で、自宅マンションの裏山が突然崩れました。大きな音がして何が起きたのかはわからないまま外に出てみると、暗がりの中で土砂で押し流された車が数珠つなぎのようになっていました。土砂や大きな岩の下に50台くらい車が埋まっており、横転してハザードランプが点灯している車両もあります。住人はパニック状態でした。 翌日から住人らで協力して復旧作業に取り掛かることになりました。110世帯くらいあるマンションですから、土木関係の仕事をしている人がいたり、行政に接点のある方もいて、様々な提案や復旧作業に関する話し合いができました。 私も、土砂の撤去などの復旧作業を土日・有休を利用して行いましたが、その際に色々なことを感じました。 また、このように勝てない自然はいつどのようなことで災害をもたらすか分かりません。そのための保険の重要性も強く認識しました。自宅マンションでも共用部分の火災保険には加入していたのですが、水害保険は費用もかかるし必要ないだろうと水害保険はかけていませんでした。そのため、マンションの修復に各戸あたり150万円くらいの修繕費が発生することとなり、今になっては後悔するばかりです。 2つ目は、普段すれ違っても名前もわからなかった住人同士が一緒に復旧作業をしているうち、名前や顔を覚え、仲間意識が芽生えたことです。毎週レクサスを洗車していた無口なおじさんが実は明るい話好きな人だったり、普段どこか頼りない中年のおじさんが、重機を手足のように動かして大活躍したりと意外な一面も見ることができました。また、中心となってボランティアの対応をおこなっていたおばさんたちの頼もしさも、大変な中での心温まる出来事でした。 復旧作業が終わったあと、住人同士がエントランスですれ違う際には自然と挨拶をするようになりました。 |
災害エピソード② | 『経験したことを忘れずに』 | 北海道支店所属 田中 |
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9月6日未明に北海道を襲った最大震度7の地震。札幌市内の自宅では、棚からひとつグラスが落ちて割れただけでした。ですが、今まで感じたことのない揺れに飛び起きて、ただ事ではないなと思うと同時に停電状態となり、怖さが増しました。のちに、地震から18分後に北海道全域がブラックアウトしたことを知りましたが、我が家は直後から真っ暗闇でした。 地震発生直後はスマホのライト機能とワンセグが役に立ちました。モバイルバッテリーとワンセグを見るためのアンテナを同じ袋に入れ、すぐ手の届くところに保管していたので暗闇でアンテナを探すということがなく、とても助かりました。 マンションのため停電と同時に水も止まり、断水区域では無いのに水が出ない、というもどかしい状況が続きました。エレベーターが使えず、高齢者や上層階の方はかなり大変だったと思います。 自身の「防災の備え」という点から振り返ると、小さな運も味方し、41時間の停電と断水を乗り切るには十分だったと思います。 不安だったことは、同居している高齢の両親のことです。明日の診察、薬、食事。病院は停電のなか薬をだしていただけました。不安にならないよう、食事はなるべく普段通りのもの、温かいものを、と思うと、鍋・フライパンなどの大きな洗い物が増えてしまいました。しかし、これが冬だったら、住む場所から避難を余儀なくされる状況だったら、と考えるとまだまだ備えは足りません。 |
災害エピソード③ | 『備えあれば憂いなし』 | 北海道支店所属 中村 | ||
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昨今の異常気象や災害をニュースで見聞きし、いつか自分の身にも起こること、と日頃から感じていました。 その2か月後、私の住んでいる北海道で観測史上最大の震災を経験する事になりました。 【 今回実践して役に立ったこと 】
実際、スマホの充電、夜の懐中電灯(LEDライト)、ご近所さんへの充電提供と大活躍でした。もし、このバッテリーが空になっても車のガソリンさえあれば逆に車からバッテリーに充電する事も可能だったので充電には困りませんでした。 ・ワンセグ付きの携帯電話(ガラケー、スマホ) ・AMラジオを所有していた。 ・カセットコンロ ・サランラップ ・食材の備蓄 今回は自分が大丈夫だったので、ご近所の方の手助けする側になれました。困っていたら妻と娘をほったらかして、周りの手助けどころではなかったと思います。 【 迷惑な方々 】 【 総括 】 今回、丸2日間、私の人生でも最長の停電を経験しましたが、ニュースで騒がれるほど困らなかったのは「備えあれば憂いなし」を実践していたから。やはり、これに尽きると思います。 |
前号にてお知らせをしておりました通り、防災アンケートにご回答いただいた方の中から、抽選で1名様に「今どき」の防災グッズとしてランドポート「ソーラーパフ」をプレゼントいたします。当選された方のみにご連絡をさせていただきますので、楽しみにお待ちください!!
〇を使って表にしてみましょう!
正解者の中から抽選で「Amazonギフト券 1,000円分」をプレゼント!!
ご家族の方からのご応募もお待ちしております。
【締め切り】10月20日(土)
※クイズの回答はメルマガ本文にございますリンクからのみ受け付けております。
今月から新シリーズ「Go!? Go!! アタリくん」が始まりました。「え?モヨ太くん終わっちゃったの?」とすでに「モヨ太ロス」になっている方もいらっしゃるかも知れません。そんな方に朗報です。
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それでは、PE共済会メルマガ次号もお楽しみに!!
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こんにちは。PE共済会藤原です。いよいよ秋本番!スポーツやキャンプなど屋外での活動が増えるこの季節に、ひとつ気をつけたいことがあります。
それは、蚊などの虫刺され。今年も猛暑が続きましたが、意外にも蚊は35℃を超えると飛ばなくなり、日中の気温が下がってくる今ごろ再び活発になるそう。デング熱など蚊を媒介とする感染症も心配ですね。行楽地などへお出かけの際は、虫よけ対策も忘れずにご準備ください。
さて、今月の特集は「年金」です。といっても今回取り上げるのは、昨今枯渇の不安が叫ばれている年金の財源についてです。年金はどういう仕組みで集められるのかを分かりやすく解説します。