メルマガ2019.6.21
■PE共済会 メールマガジン【 第41号 】
皆さんは「健康経営」って聞いたことありますか?
首相官邸主導の「日本再興戦略」のひとつで、経済産業省のウェブサイトによると
とあります。
「俺、フリーランスだし関係ないね」?
確かに客先の企業の話ではあるのですが、まあもうちょっとおつきあいください。
そもそも、健康経営の元になったのは、今から75年前に実施された米国・ジョンソンエンドジョンソン社のOur Credo。従業員と家族の健康や幸福を大事にすると宣言した同社は、グループ企業含めて世界 250 社、約 11 万 4,000 人に健康教育プログラムを提供し、その投資効果を試算しました。掛け声だけで終わらず、きっちりカネ勘定におとしこむとはさすがですね。
で、その結果は…投資1ドルに対して3ドル分の効果、つまり3倍の見返りがあったのです(図1)。
これってITフリーランスをひとつの企業と考えると、全てあてはまるのです。何といっても「カラダが資本」ですから。 健康で体調が良ければ集中力も維持できて生産性は向上するし、当然医療費も少なくてすみます。仕事に対して前向きになれるし、欠勤が少ないことは業界内の評判もよくなり、引き合いも増える。総じて、フリーランスの「あなた」というブランドが向上するというわけです。 なんだか健康経営が自分ごとに思えてきた方のために、隔月でプロエンジニアの健康経営に役立つ情報をお届けすることになりました。健康問題なんでもござれのDr.マドに熟年ライターのユウコさんがどんどん質問をぶつけます。 |
(図1)ジョンソンエンドジョンソン社の健康投資効果 |
ユウコ
さて、今回は誰もが他人ごとではない「ストレス」のお話です。ストレスが完全になくなるなんて未来永劫考えられないから、うつ病を防ぐためにどうしたらいいのか知りたいわ。でもその前にうつ病ってどうして起こるのかしら。
Dr.マド
気持ちが沈んでいるときは、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなど神経伝達物質が普段通りに働かなくなり、うつ状態では脳内の機能が変調していると考えられているんだ。「こころの風邪」なんて呼ばれることもあるけど、実際にはうつも他の病気と同じように身体の機能の変調・不調をきたした状態だね。多くはストレスが関与しているけど、なかにはC型肝炎の治療薬インターフェロンとか、乳がん治療に使うホルモン薬とか、薬の影響で起こるうつ病もある。それと、ユウコさんはさっき「うつ病」と言ったけど、いきなり「病」になるわけじゃないんだ。
ユウコ
あ、そっか。一時的な気持ちの落ち込みなら、誰でもあるものね。
Dr.マド
そう。ユウコさんだってこの間落ちこんでたじゃない。買ったばかりのスマホをトイレで…
ユウコ
それはいいんです(きっぱり)。もう立ち直りましたから。(経済的ダメージからは立ち直ってないけど…。)
Dr.マド
ストレスやショックなことがあっても、比較的短期間で立ち直って前向きな気持ちになれば、それは風邪をひいても少ししたら回復することと同じことなんだよ。問題となるのは「抑うつ状態」と呼ばれる気持ちの落ち込みが2週間以上続くような場合だね。つまり、血圧や発熱と同じで、あるところまで来ると専門家に診てもらうべき状態なんだ。
ユウコ
「あるところ」を越えないよう、予防する方法はないの?
Dr.マド
僕がおすすめしたいのは、体調のいいときにやっているふだんの行動をできるだけ続けること。例えば、ジムに行っている人は短時間でもジムに行く。自分で豆を挽いて淹れた珈琲が好きな人は、なるべく缶コーヒーですませるのではなく、自分で淹れるようにするとかね。作業を休みなく続けるのではなくて、あえて一区切りを入れるように意識することが大事なんだ。
ユウコ
なるほど。小さなことでも脳にとっては休憩になるってことね。
Dr.マド
それから、自分なりの「ストレスコーピング」を持っておくといいよ。
ユウコ
「ストレスコーピング」!?
Dr.マド
うん、ストレスを感じたときに対応する技術や能力のことだよ。
ユウコ
ああ、人間関係とか仕事でのトラブルとか、イラっとしたときに何をすればいいか、ってことね。
Dr.マド
そう。自分の気持ちが落ち着く方法を挙げておき、ストレスを感じたときにそれをやってみる。例えば仕事中なら音楽を聴く、トイレに行く、外の空気を吸う、ガムをかむ、珈琲やお茶を飲むなど、何でもいい。机の引き出しを整理する、なんて人もいる。ユウコさんなら何がある?
ユウコ
私はシュレッダーかけること!あと、三線弾いて唄ったり…でもこれ、さすがに仕事中は無理ね。
Dr.マド
自宅や職場や外出先、電車の中など、それぞれの場所でできるストレスコーピングをいくつも持っているといいよ。宇宙飛行士は200通りものストレスコーピングを持っていると言われる。危険もある狭い空間の中で、必ずしも気が合うとは限らない仲間と24時間過ごさなければならない過酷なストレスを受けているからね。
ユウコ
癒しの方法として「マインドフルネス」なども注目されているわね。
Dr.マド
禅やヨガの瞑想とともに注目されているね。それも自分が好きでやれるなら良いと思う。ただし、一般的に世の中で「癒される」「健康にいい」と言われることが自分に合うとは限らない。やはり、「好きかどうか」が一番大事だね。ITフリーランスにはパソコンやネットがもともと好きな人も多いと思うけど、そういう人はネットゲームやSNSをストレスコーピングにしてもいい。
ユウコ
ところでうつ病の早期発見のために、企業では社員のストレスチェックが実施されているけど、フリーランスの場合はなかなか機会がないでしょ。 「あるところ」を越えたかどうかは自分でわかるの?
Dr.マド
家族が「いつもと違う」と気づくケースもあるけれど、自分でも気づくことができる。そのポイントは【気持ち】【体】【行動】の3つ。【気持ち】は悲しくゆううつな気分のほか、「最近イライラしがち」とか「怒りっぽくなった」なども要注意だ。【体】で比較的多いのは「酒量が増えた」だけど、朝3~4時など早朝に目が覚めてしまうとか、逆にやたら長時間眠っているとか。ダイエットしていないのに体重が増減しているというのも信号のひとつだね。【行動】では「よく忘れものをする」とか、「仕事でミスが増えた」「遅刻が多くなった」などだ。
ユウコ
「以前と違う」と気づいたらまずは専門家に相談、ですね。企業に勤めている人は会社の医務室があるけれど、フリーランスの場合はどこで相談すればいいの?
Dr.マド
もちろん心療内科やメンタルクリニックを受診してもいいし、まずは電話で、という人は市町村の保健所でやっている無料電話相談を利用するといい。実際には会社員の人も社内の医務室で相談するよりも、外部機関で相談することが多いようだね。
ユウコ
PE‐BANKに契約されているプロエンジニアの方は、外部の相談機関「ティーペック」の専門家による無料電話相談も受けられるそうです。詳しくはこちらを見てくださいね。
取材協力・医学監修 木村元紀(心療内科医 しろかねたかなわクリニック院長)
構成・文 中保裕子(医療ライター)
<監修者プロフィール>木村元紀
医学博士・心療内科医・しろかねたかなわクリニック院長。
1974年愛知県生まれ。2000年東北大学医学部卒業。都立病院、大学病院などにて勤務後、2018年にしろかねたかなわクリニックを開設、現在に至る。専門は精神科、睡眠医学、産業医学。最近好きなものは「キングダム」とヨガ。「キングダム」は中学生の時に読んだ三国志を超える驚きを感じたという。
しろかねたかなわクリニックホームページ http://www.shirokanetakanawa.jp/
< 執筆者のご紹介 >
医療・健康ライター ウェルネスマーケティングディレクター
中保裕子(なかほゆうこ)
有限会社ウエル・ビー 代表取締役社長 http://well-be.biz/index.html
略歴
広告代理店マーケティング企画部勤務、マーケティングコンサルティング会社取締役を経て1993年に独立、フリーランスとして活動後、2003年より有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 医薬・健康・美容関連の取材・記事執筆に従事。対象とする領域は地域医療、皮膚疾患をはじめ広いが、特にがん医療取材には長く携わっている。
うつ病など、こころの不調は自分ではなかなか気づけないものです。身近な人の「早期発見」がとても大切です。
もしも長期に休業が必要になった場合でも、PE共済会の「所得補償手当て」はうつ病など精神疾患にも対応しています。
PE共済会 事務局藤原です。突然ですが、みなさんは日頃から運動していますか?最近では、街なかでもジョギングする姿をよく見かけるようになりましたが、ここでちょっと気になるデータがあります。笹川スポーツ財団が2年に1度行う全国調査「スポーツライフ・データ」によれば、2006年以降に右肩上がりで推移してきたジョギング・ランニング人口は、2012年をピークに4年連続して下降傾向だというのです。一部の熱心なファン以外はブームが一段落してやめてしまったということでしょうか?
子供の運動会に参加して、体力の低下を痛感したお父さんの話などはよく聞きますが、かくいう私も普段運動らしいことはまったくやっていません。学生時代の部活動で培った体力はまだ残っているか?ということで、今回は都心にあって気軽に体力測定ができる場所へ行ってきましたのでご紹介いたします。
今回訪れたのは、東京メトロ銀座駅から徒歩1分の場所にあるファンケル銀座スクエア8階、ファンケル予防医療ミュージアムです。健康への第一歩は自分の『今』を知ることから!気軽に楽しみながら体験できる「大人の体力測定」やファンケル研究員が考えた健康ドリンクコーナーもあり、健康的なカラダづくりに向けた様々な体験ができるスポットです。ファンケルといえば化粧品のイメージが強く、特に男性には縁遠いイメージがありますが、うかがったところでは老若男女を問わずふらっと訪れる方が多いそうです。さっそく私も無料で体験できる体力測定にチャレンジしてみました。
エレベーターを降りるとすぐに、垂直飛び・反復横跳び・前屈・握力・動体視力..体力測定ではおなじみの設備がズラッと並んでいます。特に受付などすることもなく、真っ先に向かったのは「姿勢バランチェック」。日頃のデスクワークで姿勢が気になっていたので、まずはこちらを試しました。写真では分かりずらいかもしれませんが、足の指がほとんど映っていません。普段スニーカーを愛用しているので靴底のせいか、まったく気がついていませんでした。(スタッフの方からは、かなりバランスが悪いと言われてしまいました。。) |
梅雨時期は外出が減り、運動不足になりがちです。こんな時こそ、自身の体力をあらためて見直すところからはじめてみるというのはいかがでしょうか?
◇ ファンケル予防医療ミュージアム( 元日のみ休み/ 営業時間 11:00~19:00 )
https://www.fancl.jp/ginza-square/health/museum.html
同ビル5F研究技術ギャラリーにはO2(酸素)ルームがあったり、6Fヘルスハウスでは特殊な顕微鏡を使用して、指先の毛細血管の流れをチェックするコーナーなど、他フロアもオススメです。
ご当選者の方には、配信日より3営業日以内にPE共済会事務局よりメールにてご連絡いたします。
万が一、メールが届かない場合は、お手数ではございますが、登録いただいた連絡メールアドレスよりご連絡ください。
今月は、健康コラムの開始を記念してコラムの中からの出題です。(ヒントはコラムを見てね!)
正解者の中から抽選で「Amazonギフト券 1,000円分」をプレゼント!!
ご家族の方からのご応募もお待ちしております。
【締め切り】7月15日(月)
※クイズの回答はメルマガ本文にございますリンクからのみ受け付けております。
PE共済会藤原です。
ご承知のとおり、6月22日(土)に日本科学未来館で「プロエンジニアフォーラム2019」が開催されます。
今年は「WORK FOR GOOD LIFE」をテーマに、元プロサッカー選手の前園氏の特別講演やPE-BANK「エンジョニアムービー」に出演したプロエンジニア4名を迎えてのパネルディスカッション、「P-1グランプリ2019 ファイナル」では4名のファイナリストによるプレゼンテーションなどが行われる予定です。
PE共済会は、例年主要のPE-BANKイベントを協賛をしています。当日は、事務局として私も会場へお伺いしますので、PE共済会やメールマガジンへの質問などありましたら、お気軽にお声がけください。
それでは、来月のメルマガもお楽しみに!
〒108-0074 東京都港区高輪2-15-8 グレイスビル泉岳寺前
フリーダイヤル:0120-994-824 / 一般回線:03-6386-3531
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URL :https://pe-kyousai.jp/
*ご意見・お問い合わせはこちらまでお願いいたします。
こんにちは、PE共済会事務局 藤原です。梅雨に入って不快と感じる日が多くなりましたね。この時期は気圧の影響で自律神経が乱れがちになります。そんな時のオススメの対処法は、いつもより早起きをして、ゆったりと朝の支度をすること。寝起きの副交感神経優位の状態から少しづつ交感神経優位へ移行させます。朝日を浴び、朝食をシッカリとる。CMに出て来そうなシーンですが、こうした余裕ある朝の時間の過ごし方がポイントです。
さて、今月から「健康」をテーマにしたコラムを始めることになりました。コラムのタイトルには、昨今よく聞かれる「健康経営」という言葉を取り入れて命名をしています。
「ITフリーランスにとって大切な資本である『自身の体』を、事業主としていかにして守り、1日も長い現役生活を送るか」という永遠のテーマを、メルマガを通じてみなさん自身で考えていただきたい(一見、病気とは無縁な若い年代の方にも)、自分ゴト化して考えてもらいたいという意味を込めました。
記念すべき第1回は「ストレス」がテーマです。みなさんが日々の生活の中で避けられないストレスへの対策を専門ドクターに指南いただきます。今月も最後までお楽しみください。