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メルマガ2020.05.22

■PE共済会 メールマガジン【 第52号 】

<特集>「ジブンゴト健康経営」
コロナ疲れから抜け出そう
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<特集>「ジブンゴト健康経営」
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PE劇場「Go!? Go!! アタリくん」
アタリの発案で、急遽「在宅運動部」を発足した面々。さて、その様子は。。。(まんが 百万 友輝)
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PE共済会からのお知らせ
「新型コロナウィルス感染症」拡大にともなう特別給付制度をご案内いたします。
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外出自粛の要請が出されてしばらくが経ちます。梅雨も間近とあって、つい気が滅入ってしまいますね。
そんな時には、深呼吸を習慣化することをオススメします。ふとした合間にゆっくりと呼吸をするだけです。長時間のマスク着用による酸素不足を補い、特に腹式呼吸で行えば自律神経を刺激して、睡眠の質や免疫力向上にも役立ちます。当り前に行っていることを少しだけ意識して体調維持につとめましょう。
さて、今月のコラムは「コロナに負けない非常時の心得」をテーマにお贈りします。ぜひ最後までお楽しみください。
PE共済会 事務局 藤原
はじめよう!
「ジブンゴト健康経営」
Vol.6 コロナ疲れから抜け出そう

Dr.マド

ユウコさん、久しぶりー。自粛生活はどう?そろそろコロナ疲れしてるんじゃないかと思って…。

ユウコ

おかげさまで元気だけど、運動不足で体重が…。自粛ストレスもやっぱりあるみたい。あ~バーベキュー行きたい、焼き肉行きたい、回転ずしに行きたい、パンケーキ屋さんに行きたい…。

Dr.マド

それは解除されたらますます…。いや、まあ緊急事態宣言が解除されても新型コロナウイルス自体が収束するにはまだ時間がかかるから、すぐには元の生活には戻れないだろうね。

ユウコ

なんだかSNSを見ていると不安の声や、とげとげしい言葉が増えた気がして。世間のコロナ疲れが感じられるわ。

Dr.マド

それはね、人間にとって正常な反応なんだよ。今の状況を例えると高速道路の制限速度が下げられたようなものだ。普段は時速100㎞が許される道でも、状況が変われば走りかたを変えなければいけない。例えば大雨や強風の日は安全を考えて制限速度が落とされるよね。僕らの生活も新型コロナウイルスの流行で制限速度が変わったわけだ。緊急事態宣言が出たあたりで80㎞制限に、特定警戒地域が全国に拡大された時にさらに60㎞制限くらいに感じた人が多いのではないかな。

ユウコ

以前とのギャップで随分遅く感じるわね。イライラしそう。

Dr.マド

そうだね。だから、一人いつもより頑張ってスピードを出すと事故になりかねないから、速度を落としたほうがいい。仕事も生活も、いつもよりペースを落とすくらいがちょうどいい。さらにやっかいなのは、これがいつまで続くのがわからないとなると、人は見通しを悪い方に考えやすくなる。例えば、株価などで右肩上がりのグラフを見ていると、将来もこのまま右肩上がりが続くような気がしない?

ユウコ

する!見えないグラフが伸び続けていくようなイメージがあるわ。

Dr.マド

それと同じで、人は正しいとは限らないのに今後ますます制限が強くなっていくような予測をしてしまう。勝手な予測で悲観してしまい、余計不安になったりストレスを感じたりする。それもまた社会が異常事態にあるときの正常な反応なんだ。

ユウコ

じゃあ、イライラするのも不安も「異常時の正常」なのね。

Dr.マド

うん。同様のことは東日本大震災の後にも起こったが、時間の経過とともに徐々に緩和されていった。だけど、新型コロナの場合は時間が経てば経つほどきつくなっていくという感覚を多くの人が共有していると思う。自分だけがおかしいわけではないんだよ。

ユウコ

そんな中でも自分でパンを焼いたり、新しい料理にチャレンジしたり、家具を作ったり、Stay HomeというよりむしろEnjoy Homeな感じで自粛生活を楽しんでる人もいるわ。

Dr.マド

ストレスは主観的なもので、感じ方は人それぞれだ。仕事の締め切りがあることをストレスだと感じる人もいれば、メリハリがあるからこそ楽しい、と思う人さえいる。

ユウコ

そういうふうに考えることができたら楽になれそうね。

Dr.マド

お勧めしたいのはこの60㎞制限の環境を自分はどう感じ、どう過ごしていこうと思っているのか、書き出してみることだ。その上で、他人の考え方と自分との違いを考えてみるんだ。同じこの状況でもつらいと感じず楽観的に過ごせている人たちと自分は何が違うのか、と考えることでストレスに対応できるヒントが得られる。ユウコさん、「SOC」って聞いたことあるかな?

ユウコ

SOC??「そろそろ終わってコロナ」???…?

Dr.マド

人間誰にでも備わっている感覚「Sence of Coherence」(首尾一貫感覚)のことだ。1979年にアーロン・アントノフスキ―博士によって提唱された「健康生成論」の根幹をなすものだよ。アントノフスキ―は1923年生まれのユダヤ人の健康社会学者で、ナチス・ドイツのユダヤ人迫害を逃れてアメリカに亡命した。70年代になってから、ユダヤ人強制収容所に収監され生き残ったユダヤ人女性の多くが強い精神的ダメージを受けているだろうと考え、実態調査に乗り出した。

しかし、意外なことに3分の1は精神的な健康が保たれていた。いつ殺害されるかもわからない強制収容所生活を経験し、戦後は難民生活を送り、3度にわたる中東戦争を経験した彼女たちが、究極のストレス状態にあってもなおメンタルヘルスが保たれたのはなぜか―――アントノフスキ―はその人たちに丹念なインタビューを行ったところ、共通していたのは、SOCのレベルが高いということだ。

ユウコ

SOCのレベルが高いって、具体的にはどういうこと?

Dr.マド

SOCには「処理可能感」「把握可能感」「有意味感」の3つの要素がある。「処理可能感」は今置かれている状況に対処できるか。例えば今のような不安な状況におかれていても、「なんとかなる」という感覚だ。その感覚をもつには、「今日一日をどう過ごすか」といった処理可能な目標を持つといい。

ユウコ

なるほど、壮大な計画を立てちゃうと「処理」できない…と。

Dr.マド

2つめの「把握可能感」は先を見通して準備をしておこうという感覚。先の見通しがあるかないかで気持ちって変わるから、自分の住む都道府県の状況はどうなのか、情報を収集することも力になる。ただし、過激な画像や罵詈雑言に飛びつくばかりでは逆効果。役に立つ情報の見極めが大切だ。

ユウコ

いわゆる“段取りの良い人”って感じ。

Dr.マド

で、最後の「有意味感」だが、どんなに辛い状況であっても意味があると信じられること。そう思えれば、気持ちは折れないということだね。

ユウコ

ふーん、この3つを備えた人がストレスに強い、SOCの高い人ね。

Dr.マド

今感じていることや意見を書き出すことは、自分の感覚や考え方のくせはどうなのかを気づくのに役に立つ。誤解しないでほしいんだが、悲観的であること自体は悪いことばかりではないよ。心配だから早めに準備をするとか、悲観的な見方によって何か得るものがあればよいだろう。ただ、悲観的なために自分自身が辛くなるなら、ものの見方を変えたほうが楽だ。左の道を進めば辛いなら、そのまま左の道で生き続けるのではなく、方向転換して右の道に入ってみるといい。

ユウコ

ソーシャルディスタンシングとか、自粛とか、ともすれば人とのつながりを避けてしまいがちだけど、自分自身を自分一人で何とかしようするよりは、一緒に話す仲間とのつながりが大事なのね。

Dr.マド

そうだね。孤立してしまい、情報や相談相手がない状況だと「把握可能感」が下がりどうしていいかわからなくなってしまう。現代は幸い、オンラインというツールがあるのだから、これを機に他のITフリーランスとつながりをもつのもいいんじゃないかな。いろいろな人の経験談を聞き、共有することで視点が増え、気づきをもらえる機会になる。そして、それはSOCを強化することにもつながるんだ。ただし、本音では参加したくないのに無理に参加する必要はないけどね。

ユウコ

この機会をむしろ自分自身を知り、コロナ疲れに負けない心を育てるチャンスにしたいな。

Dr.マド

そうそう、ITフリーランスも現在は客先に出向くよりリモートワークが多く、より時間が自由になっているだろう?でも好きな時間に寝て、好きな時間に起きるといった生活リズムの乱れは、気持ちを不安定にさせる。生活リズムを安定させると気持ちも安定するので、こういう非常事態にあってもきちんとリズムのある生活をし、自分のルーティンワークを持っておくと良いね。

ユウコ

わかりました。ちなみに、精神科医などの専門家に相談した方がいいのはどういう時?

Dr.マド

不安で仕方ないということに加えて、眠れない・食欲がない、という症状がある場合にはうつ病の可能性があるので相談した方がいい。うつ病というのは脳の機能障害なんだ。脳の機能が疲労から回復する手段は睡眠と食事以外にない。睡眠と食事が取れていればストレスあっても自分で回復できるが、それができなくなったら自分で回復するのは難しくなる。早めに専門家に相談するのが良いと思う。

ユウコ

ドクター、ありがとう。じゃ、私これから夕食だから、またね。今夜は焼き肉なの!

Dr.マド

ユウコさんに必要なのは運動だな…。

取材協力・医学監修 笹原信一朗(産業医・精神科医 筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授)
構成・文 中保裕子(医療ライター)
<監修者プロフィール>笹原信一朗
1974年生まれ。筑波大学医学専門学群卒業後、同大大学院医学研究科を経て、現職。専門は産業精神医学・宇宙医学。近年は宇宙医学研究にて閉鎖実験を遂行し、そこでの知見を健康生成論等の学問的理論に基づいて産業医としての実践知・経験知(智恵)との有機的統合により自殺ゼロ、うつ病ゼロを目指して筑波大学の産業医はじめ「茨城いのちの電話」理事など、幅広くうつ病の予防医学に還元している。

<著書>
「心が折れない部下の育て方」(メディアファクトリー)
「公務員のための部下が『うつ』になったら読む本」(学陽書房):共著
「ストレス対処力SOC 健康を生成し健康に生きる力とその応用」(有信堂高文社):分担執筆

<翻訳書>
ヤーコ・セイックラ、トム・アーンキル著「 開かれた対話と未来 今この瞬間に他者を思いやる 」(医学書院):分担翻訳
< 執筆者のご紹介 >
医療・健康ライター ウェルネスマーケティングディレクター
中保裕子(なかほゆうこ)
有限会社ウエル・ビー 代表取締役社長 http://well-be.biz/index.html
略歴
広告代理店マーケティング企画部勤務、マーケティングコンサルティング会社取締役を経て1993年に独立、フリーランスとして活動後、2003年より有限会社ウエル・ビー代表取締役。 医薬・健康・美容関連の取材・記事執筆に従事。対象とする領域は地域医療、皮膚疾患をはじめ広いが、特にがん医療取材には長く携わっている。
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PE劇場
「Go!? Go!! アタリくん」
漫画<百万 友輝>
コロナ禍の中、体調管理はとても難しいですね。最低限の運動量を確保して上手に体調維持・ストレスなどを解消しましょう。万が一、ケガや傷病(新型コロナウィルス感染症含む)に見舞われた場合には、「所得補償手当て」や 「入院日額手当て 」の対象となります。
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