PE共済会

HOME お知らせ

メルマガ2021.02.19

■PE共済会 メールマガジン【 第58号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
普段からプロジェクトメンバーの健康に気を配るPE助がメンバーの緊急事態を検知しました。早速出動します!(まんが 百万 友輝)
記事を読む
テレワークが中心となり、在宅時間とともに増えていくのが光熱費。自動的に引き落とされているとあまり気づかないかもしれませんが、特に今の時期の電気代は1年でもっとも高くなります。2016年の電力自由化以降は、大手電力会社の電気料金よりも安く提供する新電力がたくさん登場しています。分かりやすい比較サイトもありますので、ぜひ一度チェックしてみてください。ただし、この新電力、最近の電力の卸価格高騰で「市場連動型」契約への影響が報道されるなど注意点もあります。ですが、おうち時間が増えているこの時期、環境へ配慮した再生可能エネルギー取り入れるなど家庭でのエネルギー消費を見直してみてはいかがでしょうか。
さて、今回のコラムは「新型コロナの後遺症」がテーマです。さまざまな後遺症の原因とされている「サイトカインストーム」とはどんなものなのか、感染症の専門ドクターに解説していただきます。後半では、実際にご経験をされた現役プロエンジニアの方へもお話を伺っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
PE共済会 事務局 藤原
はじめよう!
「ジブンゴト健康経営」
< 特別インタビュー>
専門医に聞く「新型コロナの後遺症」
PE共済会では新型コロナウイルス感染症と診断された方を対象に、「新型コロナ特別給付金」を給付しています。新型コロナは回復してからも後遺症が現れることがあり、長期間仕事に支障をきたしてしまうこともあります。
今回、お話を伺った感染症専門医・森岡慎一郎先生は2020年1月、コロナ禍の当初から武漢便やダイヤモンド・プリンセス号の乗客の治療に対応。退院した患者さんがその後もさまざまな身体の不調や脱毛などの症状に苦しむ姿を見て「これは後遺症ではないか」と考え、2月からの4ヵ月間に退院した患者さん63名に聞き取り調査を行ない、その結果を論文として発表されました。コロナ後遺症に関する国内初の論文であり、海外にも発表されています。
(インタビューは2020年12月24日、オンラインで行いました)
完治2ヶ月後に脱毛が始まり、2カ月半続く
―コロナ後遺症とはどのようなものですか。
森岡:まず、どれくらいの人に起こるかと言いますと、私たちの研究では退院後2ヶ月後時点で約半数の48%、4ヶ月後でも27%の人に何らかの症状がありました。ではどんな症状が多いかと言いますと、4ヶ月後の時点でだるさ、呼吸苦、嗅覚障害が続いている方がそれぞれ10%。 驚いたことに、脱毛は24.1%、つまり4人に1人に上っています。新型コロナを発症してから脱毛が始まるまでの平均日数は58.6日。脱毛症状の持続期間は76.4日間。 ざっくり言えば2ヶ月後に脱毛が始まり、2ヶ月半続くということになります。ちなみに、調査対象となった患者さんのほとんどは酸素吸入を必要としない軽症の患者さんでした。ですから、重症な患者さんだけに後遺症が現れるわけではないんです。 軽症の患者さんにも、若い患者さんにも後遺症が見られました。
【国立国際医療研究センターの調査研究より】
出典 https://doi.org/10.1093/ofid/ofaa507
―後遺症があるのは、新型コロナに独特なものなのでしょうか。
森岡:インフルエンザや普通の風邪も回復後に咳が残ることはありますが、せいぜい2週間程度です。一方、デング熱やエボラウイルス病(エボラ出血熱)に関しては脱毛の報告があります。もっともエボラウイルス病は後遺症以前に生きるか死ぬかという病気ですが…。 いずれにしても新型コロナのような後遺症が残る感染症は本当にまれだと思います。 そして、さまざまな後遺症が、時間を経て出てくる病原体に出会ったのは私自身も今回初めてです。
心臓やメンタルにも影響
―新型コロナウイルスは、 自律神経の失調やメンタルへの影響もあると聞きます。
森岡:イギリスからの報告では、コロナ後遺症(Long COVID)の症状は主に4つに分かれているとされています。
(1) 心臓や脳への恒久的障害
新型コロナウイルスそのものが心臓や脳を攻撃し、 脳炎や髄膜炎が起こることがあります。 ただし、発症はごくまれです。
(2) 集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)
集中治療室で長い日数を過ごした後、筋力の低下のなどの身体障害や認知機能障害、精神障害が起こることがあります。身体障害に関しては高齢者に出やすいと思います。
(3) ウイルス後疲労症候群(post-viral fatigue syndrome)
回復後、時間をおいて出てくる脱毛のほか、うつや集中力低下、記銘力低下などがあります。なぜこうした症状が起こるのかはわかっていません。個人的にはコロナ感染によってストレスが引き金になった可能性もあると考えています。こういった症状については、私たちも再調査を行う予定です。
(4) 持続するCOVID-19の症状
肺炎の症状が残り、息苦しさや咳、痰が続いたり、味覚障害、嗅覚障害、だるさが長期間続くものです。テレビ番組やSNSに登場するのはかなり重症の方が多いですが、全員がそうではなく、全体像はまだわかっていません。
「サイトカインストーム」が自分自身を攻撃する
―コロナ後遺症として、なぜこのような症状が起こるのでしょうか?
森岡:まだわかっていないことが多いのですが、仮説として考えられていることがあります。
ひとつは「サイトカインストーム」、日本語では「炎症の嵐」と呼ばれるものです。サイトカインというのは、人間の免疫細胞がウイルスを攻撃するために産生する生理活性化物質です。それがウイルスだけでなく、自分自身の正常な臓器まで攻撃して傷めつけてしまうのです。代表的な症状は、肺のARDS(急性呼吸逼迫症候群)です。炎症の嵐で傷つけられた肺はX線で見ると真っ白で呼吸不全を起こし、緊急の治療が必要になる病気です。まだ明らかになってはいないものの、脳やその他の臓器に症状を起こしてもおかしくないと思います。
もう一つは、「ACE2」という受容体に関係するという考え方です。新型コロナウイルスはACE2受容体を介して細胞内に侵入し増殖します。この受容体がどこにあるかというと、鼻やのどの粘膜、肺や心臓、血管内皮や腸なんですね。ウイルスの受容体が多い部位が傷つけられるのではないかという仮説で、具体的には味覚障害や嗅覚障害、肺、心臓の症状、血管内皮の障害では血栓症などもあります。
後遺症はがまんせずに受診を
―コロナ後遺症の治療方法は?
森岡:現在は、まだコロナ後遺症の診断基準はなく、確固たる治療法はわかっていません。漢方薬などを使っていわゆる対症療法をしながらなんとかしのいでいるというのが現状です。
―コロナ後遺症に悩む方へのアドバイスをお願いします。
森岡:後遺症と思われる症状がある方は、がまんしないで医療機関に受診して相談するようにしてください。ただ、まだ医療者を含め多くの方に「コロナ後遺症」が広まっていません。クリニックにかかる方も多いと思いますので、クリニックの先生方には「気のせい」「気持ちの問題」と片付けないで、「コロナ後遺症かも」と疑っていただきたいとお願いしたいです。また、今後自治体で「コロナ後遺症相談窓口」のようなものが設けられればいいと思います。
―最後に、森岡先生からのメッセージをお願いします。
森岡:最近、「コロナはただの風邪」なんてフレーズを聞きますし、楽観的な空気が流れています。ですが、皆さんが思っている以上に医療機関はひっ迫しており限界に近い状況です。新型コロナは若い人でも、軽症の方でも生活の質や外見に影響する後遺症が長く続く可能性がある病気です。やはり「ただの風邪」ではありません。皆さんを過度に怖がらせるつもりはないのですが、中年以上の方はもちろん、若い人でも甘く見ない方がよい病気だということを知ってください。そして、もしご自分が感染してしまったら、まずは正確に情報を集めて、落ち着いて冷静に対処していただきたいと思います。
―ありがとうございました。
お話:森岡慎一郎先生(国立国際医療研究センター国際感染症センター)
2005年浜松医科大学卒業。聖隷浜松病院、静岡県立静岡がんセンター、在沖米国海軍病院などを経て、2017年国立国際医療研究センター国際感染症センター医員。2019年同センター医療教育部門副部門長。日本内科学会認定内科医、総合内科専門医日本感染症学会専門医、日本呼吸器学会専門医。
聞き手:中保裕子(医療ライター/有限会社ウエル・ビー)
医療・健康ライター ウェルネスマーケティングディレクター
中保裕子(なかほゆうこ)
有限会社ウエル・ビー 代表取締役 https://well-be.biz
<略歴>
広告代理店マーケティング企画部勤務、マーケティングコンサルティング会社取締役を経て1993年に独立、フリーランスとして活動後、2003年より法人化。 医療・健康情報の取材・記事執筆に従事。
【プロエンジニアのコロナ後遺症体験談】
半年以上、仕事ができない状態に
プロエンジニアTさん(40歳男性)は2020年4月に新型コロナに感染しました。軽症で入院の必要はなく、自宅療養となりましたが、回復後も半年以上にわたって後遺症に悩まされています。Tさんの仕事にも生活にも深刻な影響をもたらしたコロナ後遺症体験談をお聞きしました。
頭を起こしていられない
強烈なだるさ
2020年4月、39度の高熱が4日間続き、5日目に嗅覚障害と味覚障害が現れました。PCR検査の結果は陽性でしたが、熱が下がっていたので自宅療養となりました。10日ほどで嗅覚や味覚は回復したものの、今度は夜になると微熱が出て、めまいや倦怠感、息苦しさに襲われました。お腹に溜まったガスが苦しくて夜間に目が覚めることもありました。特に倦怠感は強く、とても立っていられないようなだるさでした。自宅内は壁を伝って歩き、トイレでも頭を起こしていられず壁に頭をもたれかけていました。私は一人暮らしなので、コンビニに食事を買いに行くのもつらかったです。心筋炎も疑われましたが、検査をすると心臓にも肺機能にも問題はなく、念のためもう一度受けたPCR検査も陰性でした。かかりつけ医の先生に「新型コロナの影響で自律神経が侵されているのではないか」と言われ、薬で症状を改善していきました。先生にとっても新型コロナやその後遺症は全く初めてなので、手探りで治療をしている状況でしたね。
PE共済会の給付を利用、
収入が途切れず助かった
発症4か月間は全く仕事ができず、5か月目に入ってからようやくテレワークで客先のお仕事を受けることができるようになりました。
発症後8ヶ月になる現在も微熱は続いています。体調はコロナ前の85%までは戻りましたが、完全復帰と言える状態ではありません。コロナ前よりも疲れやすくなっているし、客先に通う必要がある顧客受注型の仕事は無理だと感じています。
コロナにかかったこともその後の後遺症も、交通事故のようなものと思ってあきらめるしかありませんが、収入面はPE共済会の所得補償とコロナ特別給付金のおかげで本当に助かりました。収入が途切れなかったからこそ、体調が悪い間も安心して過ごすことができました。
PE共済会からのお知らせ
『 新型コロナ特別給付金 』のご紹介
今回の2つのインタビューを通じて、あらためて新型コロナウィルスの恐ろしさと、いざ感染した際の備えの重要さをあらためて実感しました。
PE共済会では、会員の皆さまお一人おひとりが安心してご活躍いただける環境づくりに日々取り組んでいます。
2020年4月より、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の拡大が深刻化する状況を受けて、特別給付制度を開始しています。
PE共済会に加入されている方、もしくは加入予定の方が新型コロナウィルス感染症に罹患もしくは濃厚接触者と特定され休業された場合に、お見舞金をお支払いする制度です。
新型コロナウィルスの勢いはまだ収まる様子がありません。不安要素をひとつでも解決するために、ぜひこの機会にPE共済会のご加入をご検討ください。
新型コロナウィルス感染症拡大にともなう特別給付制度について
【もくじへ戻る】
共済まんが
「がんばれ! PE(ぺー)助 」
次号をお楽しみに!!
漫画<百万 友輝>
■PE共済会の「所得補償手当て」について詳しくはこちらをご確認ください。
【もくじへ戻る】
☆☆ 配信案内
【 編集・発行 】PE共済会 事務局
〒108-0074 東京都港区高輪2-15-8 グレイスビル泉岳寺前
フリーダイヤル:0120-994-824 / 一般回線:03-6386-3531
E-mail:kyousaikai@mcea.co.jp
URL :https://pe-kyousai.jp/
*ご意見・お問い合わせはこちらまでお願いいたします。
お知らせ一覧に戻る