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コロナ禍でリモートワークが急速に普及しています。ただでさえ女性比率が低いエンジニア業界で働く独身男性の多くは、「出会いもないし、結婚は先送りにしよう」と思っているのではないでしょうか。でも、そうしているうちに5年や10年はあっという間に経ってしまいます。
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「うちの社員を見ていると、面倒臭がりは結婚できない傾向があります。仕事はちゃんとやっているし、コミュニケーション能力もあるのですが、自分のことになると積極的に動こうとしない。私たちの業界は職場で女性と接する機会は少ないので、自分から外に出ていかないと出会いはありません。でも、それを億劫がるのです」
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少し厳しめのコメントをするのは、関東地方でソフトウェア開発の協力会社を経営する山本隆さん(仮名)。自身は大学生の息子と娘を養っている父親です。50名弱の社員の8割はエンジニアで、普段はそれぞれの客先に常駐して働いています。
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「うちは新卒も採っているので社員の平均年齢は少し低めです。ざっくり言って3分の2は独身。先日、個人面談をしたのは35歳のイケメンで、地元の友だちなどとの交流で女性との出会いもあるようです。でも、結婚については『まだそこまでじゃない』と言葉を濁します。35歳と言えば私は長男が生まれていました。結婚も子育ても悪いものじゃないし、家族がいると仕事もがんばれるよと伝えました。私は会社のためにがんばってほしいと思いません。家族と自分自身のために仕事に励む時代だからです」
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山本さんの会社にはフリーランスのエンジニアも関わっています。社員に比べると同年代でも既婚者が多いそうです。
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「自分の税務申告などを厭わずにできる人たちなので面倒臭がりではありません。恋愛や結婚にも向いているのかもしれません」
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山本さんによると、コロナ禍のリモートワークが引き起こす悪影響は「出会いがなくなる」ことではありません。問題は、運動不足と偏食で不健康に太ったり、身なりを構わなくなったりする傾向が進行してしまうこと。自分自身を律しつつ大事にすることが問われる時代なのかもしれません。
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ニコニコしていることの重要性を強調する村木さん。その講義は続きます。
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「女性に慣れていない男性に限って、恋愛テクニック本などを読んでうまいことやろうと一生懸命に努力します。でも、初心者はうまくやることよりも失敗しないことを選ぶべきです。テニスに例えると、相手が打てないようなすごい球をコーナーの端に打つのではなく、コートの中に球をちゃんと入れることに専念しましょう。つまり、笑顔やうなずきなどのコミュニケーションの基本のキを実践するのです。最初と最後にちゃんと挨拶をすること、相手の名前を覚えること、相手の話もちゃんと聞くことなども基本ですね」
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村木さんによれば、子どもやお年寄りにも好かれる人付き合いを心がければ、初対面の女性からも半数からは好印象を持たれるとのこと。逆に言えば、基本すらできていない男性が日本社会には多いということですね。
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ただし、それでも半数の女性からはNGをもらうことになります。お互い様なので仕方ないのですが、ダメ出しが続いてしまうと気分が沈むのは確かです。村木さんによれば、お見合いという仕組み自体に拒否感を示す人が少なくありません。
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「お見合いは初対面でお互いをジャッジし合う仕組みです。勝ち抜き戦のようになってしまいます。それが苦手な人たちにお勧めなのが趣味などの集まりです。コトやモノを共有しながら少しずつ理解を深めることができます。そこに行くこと自体が楽しくなるような場を探しましょう」
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このような問題意識で村木さんは「僕んち」という独身サークルを運営しています。コロナ禍の現在は休止中ですが、2019年は5組の結婚カップルが誕生しました。
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「そのうち3組は条件で選び合ったら決して結婚には至らなかった組み合わせです。僕んちで仲良くなってからお互いの年齢などを知ったという年の差カップルもいます」
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僕んちのような独身サークルではなくても、世の中には独身女性が多い社会人サークルや習い事がたくさんあります。婚活を抜きにしても興味関心がある分野で、前向きに参加できる場を探すと良いでしょう。その場を楽しんでいれば自然と笑顔が生まれ、そんなあなたを魅力的に感じてくれる人も出てくるはず。前出の山本さんが言っている「外に出る」は、必ずしも「婚活の場に出る」ことを意味するわけではないです。
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こうした場で女性との会話に慣れてから本格的な婚活をするという手もあります。4年間の婚活の末にたった一人の伴侶を見つけた上野さんのアドバイスを思い出してください。自分なりの「WBSを引く」ことを心がけて目の前のことに集中するのです。普段の仕事をちゃんと遂行できているあなたならば婚活でもきっと成果を出せるでしょう。
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【 第53号 】「恋愛対象ではない」とよく言われます
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