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フリーランスエンジニアの方は、本来、商品の仕入や大きな設備投資がないため、他業種に比べて経理はシンプルにすることができます。 |
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具体的には、以下のポイントを押さえるとシンプルな経理が実現できます。 |
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■ 事業用口座は1口座にする
売上の入金先となる口座は、1口座にしましょう。こうすることで残高管理が必要な口座は1つだけになります。
また、事業用経費が口座引落になっている場合は、この口座に集約化することで、効率的に入力が可能となります。
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■ 事業主勘定(事業主貸・事業主借)を積極的に利用する
事業用口座以外のお金の流れは「事業主貸」「事業主借」科目を利用して仕訳をしていきます。 この2つの科目は事業主勘定と呼ばれ、個人事業主のプライベートの口座やお財布の中で、事業用経費の支払が発生した場合に利用する科目となります。(詳しい解説は下記参照サイトの記事をご覧ください)
事業主勘定については、あくまでもプライベート口座・財布のやり取りですので、残高管理をする必要がありません。
このため、事業用経費の支払が発生した時には、基本的に事業主勘定を利用して仕訳をする(プライベート口座や財布から経費を支払ったことにする)ことで、事業用口座以外の残高管理をすることなく経理処理を進めることができます。
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< 参考サイト >
マネーフォワード 事業主貸と事業主借を正しく使い分けるには?: https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/19431/
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上記のポイントを踏まえると、例えば以下のような経理処理でシンプルに経理処理を行うことができます。
①売上の入金先を1口座に集約
これで残高管理が必要な口座は1つだけになります。
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②経費を支払ったら「事業主借」で処理
現金やクレジットカードで支払った経費は全て「事業主借」で処理します。(仕訳例 借方:経費科目/貸方:事業主借)
クレジットカードの支払が口座から引落された場合は、これも事業主勘定である「事業主貸」を利用します。(仕訳例 借方:事業主貸/貸方:普通預金)
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多くのフリーランスエンジニアの方は、上記の内容で十分に青色申告を満たす経理処理を行うことができると思います。 |
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経理の中身をシンプルにしたうえで、近年、導入する方も増えている「クラウド会計」を利用して、入力の手間を削減することができます。 具体的には、以下の機能を利用することで作業削減が可能です。 |
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■ インターネットバンキング口座との連携
多くのクラウド会計システムでは、インターネットバンキングとの口座連携が可能です。
口座連携することで、通帳の取引データが会計システムの方に自動で連動されます。加えて、連動した取引データをもとに仕訳すると、同じ取引であれば、それ以降は、仕訳を覚えて、自動で仕訳をしてくれるようになります。
こうした機能を利用することで、月々の入力の手間を削減できます。
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■ クレジットカード支払データとの連携
インターネットバンキング(銀行口座)以外にもクレジットカード支払データとの連携も可能です。 近年、クラウド会計提供会社が専用のビジネスカードサービスを提供しています。 通常のクレジットカードではなく、専用のビジネスカードを利用することで、さらに効率化を図ることができます。
例えば、マネーフォワード株式会社が提供している「マネーフォワード Pay for Business」では、専用のアプリを利用することで、カード決済した瞬間にアプリ上に支払データが連動されます。これにより、その場で、レシートを撮影し、支払データに紐づけることができます。(通常のクレジットカードでは、データ連携に時間がかかるためレシート画像紐づけがその場でできません) |
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事業用経費の支払をカード支払に集約化することで、会計システムへの入力の手間を削減することができるだけでなく、専用アプリを利用して、レシート等を画像紐づけすることで、電子帳簿保存法のスキャナ保存のルールに従った保存要件を満たすことも可能となります。 |
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2024年1月1日から、電子メールの添付ファイル等で受領・送付した請求書等は、①改ざん防止措置や、②検索機能の確保といった保存要件に従った電子データの保存が必要になること(義務化)が定められました。
(なお、義務化については、令和5年度税制改正により、中小零細事業者の経理実務を考慮して、要件が緩和されます。詳細は、本シリーズの前回コラムを参照ください)
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フリーランスエンジニアの方の場合、電子保存が必要な電子の請求書は、ECサイトからの購入に関するものが大半を占めるのではないかと思われます。
ECサイトの請求書については、クラウド会計を利用およびデータ連携することで、自動で取得することができる機能が実装されてきています。(対応していないサービスもありますので各サービス詳細を確認ください)
こうした機能を利用することで、無理なく電子取引データの電子保存をすることができるようになります。
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クラウド会計の広告などでは、「簡単に経理処理ができる」ことが宣伝されていますが、まずは、経理回りの整理をしたうえで導入しないと、効率化を実現することができません。 |
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まずは、経理をシンプルにすることから初めていきましょう! |
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< 執筆者のご紹介 >
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川人 広平(かわひと こうへい)
税理士法人アクシス代表社員
税理士・公認会計士
大学卒業後、税理士法人にて、税務申告、税務コンサルティング業務を経験。
その後、コンサルティング会社にて、経営コンサルティング業務に従事。
2019年より税理士法人アクシスに入社し、現職。
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