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メルマガ2024.10.25

■PE共済会 メールマガジン【 第80号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
探偵に扮したPE助。果たして事件解決なるか!
今回は秋の夜長にミステリータッチでお届けいたします。  (まんが 百万 友輝)
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「森林浴」という言葉は日本発祥であることをご存じでしょうか。1982年に林野庁が提唱した言葉で、現在では「Shinrin-yoku」として海外でもそのまま通じる日本語だそうです。
自然に触れることで、心身がリラックスし、免疫機能が回復することが医学的に証明されています。
国土の約7割が森林といわれている日本ならば、比較的恵まれた環境とも考えられますが、日ごろ都市に住んでいる私たちにとっては気軽に取り入れられるものではありませんよね。ですがこれにはひとつ朗報があります。
それは森林浴ならぬ「公園浴」。なんと公園内の芝生のベンチで5分間座っただけで、血圧低下やストレスホルモンの減少が見られたという実験結果があります。どうやら身近な緑に接するだけでも健康効果を得ることができそうです。
遠出をして大自然と触れ合うのも良し、身近な公園でのんびり過ごすのも良し。この秋は「自然浴体験」してみませんか?
さて、今回のコラムは、万が一被災した場合に財産を守る方法など、事前に知っておくべき事柄をファイナンシャルプランナーの古川みほ先生にお伺いしました。今月もぜひ最後までお楽しみください。     
PE共済会 事務局 藤原
古川みほの たのしい「マネ活」
キャッシュレス時代ですが。
非常時に財産を守るためにどう備える?
この夏、初めて南海トラフ地震臨時情報が出されました。地震、台⾵、ゲリラ豪⾬・・・。
国内の⾃然災害は枚挙にいとまがありません。
数年前までは、いつか自分も被災するかもと思いながら「対岸の火事」であった人でも自然災害と隣り合わせにいることを実感されている方も多いのではないでしょうか。
近年の主な自然災害の図
大きな自然災害においては、当然ながら、命を守ることが第一です。
身の安全が確保された後は、1日でも早く日常生活に戻りたいものです。
命の心配がなくなり現状を理解するための心の隙間ができた頃、心配の1つが自分の財産の行方ではないでしょうか。
スマホやPCが無事であれば、指紋認証やPCのセキュリティキーでデジタル管理された金融資産等にアクセスできます。端末が手元に無い場合にどのようにログインIDやパスワードを想起するかは、みなさん専門家ですから私が言及するまでもないでしょう。
一方、保険証や不動産の権利証などデジタル管理されていない証書や財産は、どうやって自分の権利を守ったらよいのでしょうか。
今回は、自分の財産等について、何をどこに準備すべきか、あるいは準備は不要か検討してまいります。災害時に備えて財産をどう管理するかのヒントになれば幸いです。
取り扱う「財産」の範囲
まず、守るべき財産には何があるかを整理しましょう。
金融資産・不動産関連・その他
金融資産・不動産関連・その他
※ペットについては、種類や範囲の広さ、同行避難の可否、飼い主が他界した場合の備えなど検討課題が多いため、今回の記事では除外します。
金融資産について
現物=現金・・・小銭とお札を持ち歩く
現在は株券や債券は基本的に記録管理されていますので、現物=現金と考えてよいでしょう。
バブル崩壊直後、預金していた銀行が倒産し被害を受けた経験から、金融機関を信用せず、現金を自宅に置いたり、入居している介護施設に持ち込む高齢者が少なくないそうです。でもこれ、危険です。お札は火事で燃えてしまいますし、そもそも現金は火災保険や地震保険の対象外です。目的に合わせて、預貯金など金融機関の口座を利用することをおすすめします。記念硬貨などコレクションとしての特定の金銭であれば、販売業者の保管サービスや貸金庫を利用するのがより安全です。
外出時に被災し、電子決済が使えない場合に備えて、小銭を含む現金も少し持っておきましょう。東日本大震災の際、近くのコンビニが停電のためレジが使えず、電子マネー派の私は200円程度のペットボトルのお水を1本買うために「釣りはいらねぇ」ばりに1,000円払ったことがあります。なお被災により汚れた紙幣は、銀行で引き換えてもらえます。ちなみに5円(50円でもいい)玉は刺さったトゲを抜くのに役立ちますョ。
記録その1 預貯金・・・複数の銀行等に分散を検討
口座番号や暗証番号を忘れた場合、キャッシュカードを紛失した場合など、預貯金を引き出すことは可能かという問題です。災害救助法にそって国が金融機関に要請し、本人であることを確認した上で預貯金の払い戻しに応じてもらえます。印鑑が必要な場合でも拇印で大丈夫です。ただしこの取り扱いによる払い戻し額の上限額は一般的に10万円です(ゆうちょ銀行は20万円)。
本人確認書類は運転免許証など一般的な書類ですが、これらの書類を用意できない場合は罹災証明書で対応してもらえます。インターネット専業銀行の場合はカスタマーセンターに連絡して、生年月日、住所、電話番号といった個人情報の確認により10万円を上限に別の銀行に振込んでもらえます。
10万円以上の引出しについては、落ち着いて諸々の証明書を取得できるようになってから、ということになりそうです。とはいえ落ち着くためにもお金が必要になることもあるでしょうから、複数の銀行等に預貯金を分散させておくことも検討した方がよさそうです。
記録その2 運用資産・貯蓄性の高い保険・・・特に備え不要
証券会社や保険会社の口座についてはどうでしょうか。
証券会社においても銀行と同様、災害救助法により、預り金の払い戻しや、預かり有価証券の売却および解約代金の即日払いに可能な限り応じてもらえます。
保険会社も同様です。カスタマーセンターで本人確認や保険契約の内容を確認することで、保険金や給付金を受け取る手続き案内について便宜を講じてもらえます。
なお保険会社名がわからない場合でも、生命保険協会、日本損害保険協会、外国損害保険協会において契約を照会することができます。
不動産関連の財産について
不動産災害により建物に損害を受けたり消失した場合、地震保険(居住用不動産の場合)や火災保険として保険会社にリスクを引き受けてもらうのが一般的です。甚大な自然災害等により地形が変わってしまった場合を除き、土地が消失する頻度は高くありません。ですから建物については保険証券が、加えて将来の不動産売却時のために土地建物の権利証(登記済証または登記識別情報)の保管が問題になります。
保険証券・・・デジタル対応可否チェック
前述「記録その2 運用資産・貯蓄性の高い保険」のとおり、保険証券がなかったり、契約している保険会社がわからなくても、日本損害保険協会または外国損害保険協会において契約を照会することができます。共済の場合はコールセンターに問い合わせれば対応してもらえます。
保険会社によってはログインIDとパスワードで契約者のページから各種請求ができるようになっています。デジタル記録として管理できるか、ご自身の契約を確認してみてください。
土地・建物の権利証(登記済証、登記識別情報)・・・特に備え不要
平成17年3月以降に所有権など不動産にかかる権利を取得した場合は、権利証とよばれる紙の登記済証ではなく、登記識別情報という12桁のパスワードが発行されています。ただし全国一斉にパスワード化されたのではなく、平成20年6月までに順次法務局がオンライン対応になりました。とはいえこのパスワードは、紙に印刷されてシールで隠されている状態で受け取ることも多く、登記済証と同様に紛失したり消失することもありえます。
ではこれら「権利証」がなくなった場合、再発行はしてもらえるのでしょうか。
答えはノーです。法務局に頼んでもムリです。ですが法務局にオンラインで保管されている登記簿には、不動産に関する権利の種類、取得日、取得原因等がちゃんと記録されています。「権利証」をなくしたからといって権利を失うわけではありません。将来的に売却などで権利を移転する必要がある場合は、司法書士に相談すれば、通常より少し手数料を上乗せされるでしょうが代替となる書類を作成してもらえます。ほかにも公証人の認証を受ける、法務局で手続きする、といった方法もあります。
その他
ほかにも、無くなったらどうしたらよいか疑問に思う物や書類がありますね。1つ1つ確認していきます。
印鑑登録をした印鑑、印鑑登録証・・・特に備え不要
登録した市区町村役場で廃印手続をすると同時に、悪用防止のため警察に届け出ることをおすすめします。新しい印鑑を作成した後、再度印鑑登録を申請します。
マイナンバーカード・・・特に備え不要
災害時の罹災証明書発行や仮設住宅の申し込みなど、被災者支援にも利用されるマイナンバーカード。できた当初は厳重に保管しなければならない証書のように扱われていましたが、今や国民健康保険証の代わりになるなどお財布に入れて持ち歩くカードとして認識されつつありますね。
マイナンバーカードの再発行には1,000円の手数料がかかりますが、天災など自分の落ち度によらない再発行は無料となるケースが多いようです。
紛失や消失による一時停止をするためには、自治体のコールセンターに電話します。後に見つかった場合の停止解除手続きは市区町村役場の窓口で行います。
国民健康保険証・・・特に備え不要
被災により保険証が手元になくても、住所、氏名、生年月日といった個人情報を伝えれば、病院や薬局で必要な医療サービスを受けられます。しかし他人による悪用防止のため、警察に届け出た方がよいでしょう。
再発行は市区町村役場で行います。郵送で手続きできる地域もあります。といっても本年12月から完全にマイナンバーカードに切り替わる予定です。
なおマイナンバーカードを取得していない人には、保険証に代わる資格確認書が交付されることになっています。
クレジットカード・・・カード発行元と登録電話番号等をクラウド管理
被災や紛失等でカードが手元になくなった場合とカード会社への返済の2点で検討が必要です。
カードが手元になくなって最初にすべきことは、カード会社にその旨届け出て使用を一時停止することです。ほとんどの場合、24時間対応のコールセンターで受け付けています。カード番号がわかっていると時間や手続きが短縮できます。被災して連絡どころではない場合は、落ち着いてから速やかに手続きしましょう。その間に不正利用されるおそれもありますから、手続きが遅れた場合は特に、利用明細を必ず確認してください。不正利用があった場合はカード会社に連絡して経緯を説明します。カード会社の調査により不正利用が認められれば、後日返金されます。
次にカードの返済、つまり銀行口座等で引き落としができず返済が滞ってしまうリスクについてです。大きな災害に被災した場合、自動的に返済を猶予してもらえるサービスはありません。契約に沿って返済しなければなりません。ただし申し出ることで返済を猶予してもらえたり、遅延損害金の一部または全部をカットしてもらえる場合もあります。引き落とし日の前、滞納する前にカード会社に連絡できれば一番よいのですが、後になってしまってもできる限り早く連絡することでカード会社側も緊急対応に応じやすくなります。この点は日本学生支援機構の奨学金についても同様です。滞納となる前に連絡することで、返還猶予や減額措置を講じてもらえます。
思い出の品や位牌、貴重な絵画・美術品・貴金属・・・必要に応じ要対策
思い出の品は画像データにしてクラウドへ保管する、小さくして身につけたり持ち運びできるようにする、トランクルーム等の保管サービスを利用する、小さい物であれば貸金庫を利用する、思い出として心に刻む、といったところでしょうか。
貴重な絵画・美術品・貴金属も同様に、画像データとして残す一方で保管サービスの利用が選択肢となるでしょう。
一方で、これらは日々の生活において身近に置いておきたい物でもあります。頻繁に保管庫に通って愛でるわけにもいきません。消失リスクは覚悟しておいた方がよいかもしれません。
ところで火災保険や地震保険は建物だけでなく家財を補償対象として契約できます。家財を補償対象とした場合、1個(1組)の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董など、時代や出来事等により価値が変わるような物は、何もしないと補償の対象になりません。これらも補償してもらうためには、明記物件として契約時に申告しておく必要があります。当然その分保険料も高くなります。詳細は損害保険の代理店や保険会社に確認してください。なお地震保険は日常生活に少しでも早く戻るための最低限の補償が目的ですから、これらの物品は補償の対象にはなりません。
おわりに
被災や盗難など非常時に財産を守るために、備えが必要であれば何をすればよいか、何を知っておけばよいのか、あるいは特に備えは不要か、まずは整理ができたのではと思います。記事で取り上げた財産以外にも守りたいものがおありでしょうし、人それぞれ異なります。今回の記事をきっかけに、ご自身にとって大切なこと、守るべきもの、事前に講じることができる備えについて、読者のみなさまがお考えになるきっかけとなれば幸いです。
ちなみにPE共済会の共済証書は電子契約の仕組みで作成されているそうですね。
データを紛失された場合、PE共済会に連絡すれば再発行していただけるそうですよ。
PE共済会では、本コラムを担当されている「暮らしのお金の保健室 古川みほ」先生へのライフプランニングを希望される方を募集中です。
ご希望の方は具体的なご相談内容を添えて、PE共済会事務局(kyousaikai@mcea.co.jp)宛にメールタイトル「ライフプランニング希望」をつけて、ご相談内容をお送りください。
< 執筆者のご紹介 >
暮らしのお金の保健室 代表 古川みほ https://www.fpmiporin.com/
旅行会社、電話会社、保険代理店、損害保険会社、投資顧問会社、生命保険会社に勤務後、 2000年にフリーランスとして独立。生涯の生活設計・家計診断・保険の見直しを専門とし、相談、講師・講演、FP養成講座テキストなどの執筆および監修を行う。
特定の企業に所属せず代理店契約も一切しない数少ないファイナンシャル・プランナーである。
帝京大学および公共職業訓練においてファイナンシャルプランニングを教える一方、生活困窮者や精神疾患のある方への相談や支援も精力的に行っている。
一緒に読みたい防災関連バックナンバーのご紹介
<もしもの備えしてますか?SES在宅ワーカーのための防災・BCPガイドシリーズ>
・第74号( 2023.10.27 発信)
「命を守る避難」と「生活を守る避難」の事前準備とスマホ活用のポイント
・第71号( 2023.04.21 発信)
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「がんばれ! PE(ぺー)助 」
PE共済会の共済制度には万が一、加入されているご本人が亡くなられた場合の生命共済と加入者のご家族が亡くなられた場合の慶弔金制度があります。
次回もお楽しみに!!
漫画<百万 友輝>
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