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メルマガ2025.02.21

■PE共済会 メールマガジン【 第82号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
今日もメンバーからの緊急コール。いったい何があった?  (まんが 百万 友輝)
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寒い日が続き、屋外・屋内問わず空気が乾燥しています。手肌の乾燥は気にされていると思いますが、体の中も実は乾燥するって知っていますか?
私たちの体には、あらかじめウィルスなどの感染から守るための機能が備わっており、呼吸の際に取り込まれた異物が肺まで届かないよう、気道内の粘液でキャッチし線毛によって運搬・排出されています。この「線毛運動」を正常に保つためには、湿度やカラダの水分量を保つことが大切です。冬場は汗をかかないので、夏場ほど水分をとらないという方は要注意。感染予防のためにも水分補給を意識して過ごすようにしましょう。
さて、いよいよ本格シーズンに突入した確定申告ですが、今回の2025年分(2024年度)と次回の2025年度の改正部分について、PE-BANK「確定申告サポート」を担当されている税理士法人アクシスの川人広平さんにポイント解説いただきます。今月もぜひ最後までお楽しみください。
PE共済会 事務局 藤原
フリーランスエンジニアのための税務シリーズ
2024年度 2025年分確定申告注意すべき点!
および 2025年度税制改正大綱について
税理士法人アクシス 川人 広平
 2025年が始まりました。本記事では、当社が確定申告をサポートする中でよく見られる間違いをもとに、確定申告の際に注意すべきポイントを解説します。
 さらに、フリーランスエンジニアの皆さまに影響のある2025年度の税制改正大綱についても、特に重要なポイントを厳選してご紹介します。
2025年分確定申告 注意すべきポイント!
1.2025年分 消費税の2割特例が利用できるか?の判定
 「消費税の2割特例が利用できるか」「自分が課税事業者になっているか」の判定は毎年実施する必要があります。
 2025年の判定には、2023年(2年前)の課税売上を利用しますが、この課税売上の算出方法は、「2023年に免税事業者だったが、わざわざインボイス登録をして課税事業者になった方」については、少し特殊な計算方法を用います。
 以下では、該当する方の計算方法をご案内します。
 まず、繰り返しになりますが、2025年に2割特例が利用できるか否かは、2023年の課税売上高が1000万以下かどうかを見る必要があります。
(詳細はコラム後にご紹介しているバックナンバーより、前回81号のコラムを参照ください)
2023年は、インボイス制度がその年の10月から開始となっています。多くの方が2023年10月からインボイス登録をされているかと思います。
 例えば、10月にインボイス登録した時点で、ご自身が免税事業者だった場合、2023年1月~9月の間は免税事業者、2024年10月~12月はインボイス登録により課税事業者となります。
このため、「消費税の2割特例が利用できるか」の判定に利用する課税売上高の算出は、2023年1月~9月の売上を「税込」売上で計算し、2023年10月~12月の売上は「税抜」売上で計算し、その合計額が1000万以下かで判定を行います。(なお、インボイス登録が2023年11月の場合は11月~12月の売上を「税抜」で計算します)
2023年1月~9月 税込売上高、2023年10月~12月 税抜売上高 合計額で判定
2023年1月~9月 税込売上高、2023年10月~12月 税抜売上高 合計額で判定
10月インボイス登録の場合の表
10月インボイス登録の場合の表
 なぜ、このような計算方法になるかというと、消費税の判定は以下の考え方に従って判定することになっているからです。
2年前が課税事業者→税抜で判定、2年前が免税事業者→税込で判定
2年前が課税事業者→税抜で判定、2年前が免税事業者→税込で判定
 2023年の途中(10月以降)からインボイス登録された方は、2023年9月以前は免税事業者、10月以降は課税事業者になっています。このため、インボイス登録をした(課税事業者になった)月以降は「税抜」で計算することになるのです。
2.事業用資産を売却した場合
 こちらも消費税に関わるご案内となります。
 多くの方が、事業に使われる資産としてパソコンや車両などを登録し、減価償却費を計上されていると思います。
 インボイスに登録し、課税事業者となっている方は、こうした事業用資産を売却(下取り)した時にも注意が必要です。
 具体的には、パソコンや車両などの事業用資産を売却すると、その取引は、原則として消費税の課税対象となります。
 つまり、例えば2割特例を利用している方の場合、売却金額の消費税分×20%は消費税の納税義務が発生します。
 例年、こうした取引の消費税申告が、漏れてしまう方が散見されるため、注意が必要です。
3.専従者給与の支払について
 節税対策として、家族に給与を支払う「専従者給与」を利用されている方も多いのではないでしょうか。
 専従者給与を経費にするためには、以下のような要件を満たす必要があります。
①事業届出が必須。「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。②実態のある業務が必要。原則として「年間6か月以上」事業に従事する必要があります。③支給額は合理的な範囲内で。専従者給与の金額は、社会通念上妥当な範囲に収める必要があります。
①事業届出が必須。「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。②実態のある業務が必要。原則として「年間6か月以上」事業に従事する必要があります。③支給額は合理的な範囲内で。専従者給与の金額は、社会通念上妥当な範囲に収める必要があります。
 大半の方は、上記3点をクリアしているのですが、④の対応が十分にできてない方が毎年散見されます。
④実際に支払うことが前提。帳簿上だけで給与を計上し、実際に支払っていない場合、経費計上はできません。
④実際に支払うことが前提。帳簿上だけで給与を計上し、実際に支払っていない場合、経費計上はできません。
 具体的な対策として、事業用通帳から専従者の口座に資金移動をした振込記録を残しておく必要があります。
 現金での支払いは、記録が残らないため、税務調査時に経費として否認されるリスクが高まります。
 ご家族や親族とのやり取りのため、現金での手渡しなどで済ませてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
 この機会に、必ず事業用口座などから専従者の口座に毎月振込をするようにしてください。
2025年度税制改正大綱について
 2024年12月27日に閣議決定された「令和7年度税制改正大綱」では、フリーランスエンジニアの皆様に影響を及ぼす改正が盛り込まれています。特に注目すべきは、基礎控除の見直しと確定拠出年金(iDeCo)の制度改正です。
※なお、今後の審議等の状況によっては内容に変更の可能性がある点をご留意ください。
1.フリーランスエンジニアに関係する改正のまとめ
 多くのフリーランスエンジニアの方に関係がありそうな改正項目は以下のとおりです。すぐには、適用されないものもありますので、開始時期はよく確認してください。
フリーランスエンジニアに関係する改正項目の表
フリーランスエンジニアに関係する改正項目の表
2.基礎控除等の見直し(いわゆる「103万円の壁」の引き上げ)
 この改正は、主にパートやアルバイト収入がある方々の税負担軽減を目的としていますが、フリーランスエンジニアの皆様にも間接的な影響があります。例えば、配偶者や扶養家族の収入が増加しても、扶養控除や配偶者控除の適用範囲が広がるため、家計全体の税負担が軽減されます。
 なお、「103万円の壁」とは、給与収入が103万円を超えると所得税が発生する基準を指していました。この103万円は、基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計によるものです。
 今回、基礎控除が10万円引き上げられ58万円に、給与所得控除の最低保障額も10万円引き上げられ65万円となります。これにより、所得税が課税される基準が年収103万円から123万円に引き上げられます。
 このうち、基礎控除はフリーランスエンジニアの方にも適用されます。
給与所得控除・基礎控除の棒グラフ
給与所得控除・基礎控除の棒グラフ
3.確定拠出年金(iDeCo)の見直し
 老後の資産形成を支援するため、確定拠出年金(iDeCo)の制度も見直されます。具体的には、フリーランスエンジニアである自営業者(第一号被保険者)は、現行の月額6.8万円から7.5万円に引き上げられます。これにより、年間最大90万円の拠出が可能となり、所得控除の幅が広がります。
 iDeCo (イデコ)は、最も効果的な節税対策の一つです。老後に向けた資産形成もかねて、この機会に掛金額のアップをご検討いただくとよいかもしれません。
4.退職所得控除の5年ルールの変更(iDeCoと小規模企業共済を併用している方)
 こちらは確定拠出年金(iDeCo)と小規模企業共済の両方に加入されている方が該当する変更となります。
 iDeCoや小規模企業共済を一時金で受け取る場合、それぞれ退職所得控除の対象となりますが、現行制度では、5年以上の間隔を空けて受け取れば、それぞれ別々に控除が適用され、税負担を大幅に抑えられる効果がありました。
 一方、今回の改正では、この受取間隔が「10年」に延長となります。このため短期間で両方を一時金受取すると、課税対象額が増えるリスクが発生します。
 この対策として、例えば、60歳でiDeCoの一時金を受け取り、70歳以降に小規模企業共済の一時金を受け取るなど、時間を空ける工夫が必要となってきます。
退職所得控除の5年ルールの変更前と改正後の比較表
退職所得控除の5年ルールの変更前と改正後の比較表
 物価高騰が続くなど、日本の経済環境は変革期を迎えています。それにあわせてフリーランスエンジニアの方を取り巻く税制も変化をしてきています。そのような状況の中で、最新の税制改正を正しく理解し、自身の働き方に合った対策を講じることが重要です。今後も、情報収集を怠らず、必要に応じて専門家のアドバイスを活用しながら、変化に柔軟に対応していきましょう。
< 執筆者のご紹介 >
川人 広平(かわひと こうへい)
税理士法人アクシス代表社員
税理士・公認会計士

大学卒業後、税理士法人にて、税務申告、税務コンサルティング業務を経験。
その後、コンサルティング会社にて、経営コンサルティング業務に従事。
2019年より税理士法人アクシスに入社し、現職。
川人 広平(かわひと こうへい)
税理士法人アクシス代表社員
税理士・公認会計士

大学卒業後、税理士法人にて、税務申告、税務コンサルティング業務を経験。
その後、コンサルティング会社にて、経営コンサルティング業務に従事。
2019年より税理士法人アクシスに入社し、現職。
PE-BANKでは、「PE-BANK LINE税務相談」を無料でご利用いただけます!確定申告でわからないことをLINEでお気軽にお問い合わせください。
詳細は以下のプロエンジニアマイページでご確認ください。(※各種申告プランのお申込みは終了しています)
プロエンジニアマイページ : https://myp.pe-bank.jp/pages/kakutei/
合わせて読みたい!税務関連バックナンバーのご紹介
< フリーランスエンジニアのための税務シリーズ >
・第81号( 2024.12.20 発信 )
2024年度 確定申告のポイントと準備のすすめ
・第76号( 2024.02.22 発信)
フリーランスエンジニアのための経理を効率化するコツ
・第75号( 2023.12.22 発信)
2023年確定申告の注意点と電子帳簿保存法の本格開始に向けて
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