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メルマガ2025.12.19

■PE共済会 メールマガジン【 第87号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
今年もやってきたダンジョンの季節!さぁ、今回の目玉は?  (まんが 百万 友輝)
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今年も残りわずか、ふと元日に起きた能登半島地震を思い出しました。災害には年末もお正月も関係ありませんね。被災した場合の家族との連絡方法は決めていますか?現在はネットを使った様々なサービスがありますが、スマホやネットが使えない場合も想定しておきましょう。
そんな時は、公衆電話からも利用ができるNTTの「災害用伝言ダイヤル(171)」が頼りになります。NTTでは体験サービスを毎月1日・15日のほかに、お正月の三が日(1日0時~3日24時)にもやっています。(ただし被災地にいる方の電話番号がIDとして使われるため、携帯番号を使用する場合は、契約先の通信会社が本サービスを利用できるのかをあらかじめ確認しておく必要があります。)1年の平穏を願いつつ、備えも忘れずに。
さて、年明けまもなく始まる確定申告、今回も大きな改正がありそうです。
プロエンジニア必見!PE-BANK「確定申告サポート」担当税理士による税務コラムです。
今月もぜひ最後までお楽しみください。それでは皆さま良いお年を!
PE共済会 事務局 藤原
フリーランスエンジニアのための税務シリーズ
2025年度 確定申告のポイントと2026年にやるべきこと
税理士法人アクシス 川人 広平
 2025年も終わりに近づき、確定申告の準備を進める時期となりました。昨年は、定額減税の導入など、変化の大きい税制となりましたが、今年も、大きな税制改正がありました。皆さんの手取りが増える方向での改正ですが、これだけ毎年変化が多いと情報をキャッチアップするのも一苦労ではないでしょうか。本コラムでは、2025年度の確定申告で押さえておきたいポイントを中心に、2026年になったら実施いただきたいポイントも踏まえてお伝えします。
基礎控除が変更になります
 2025年12月から施行される税制改正により、基礎控除が引き上げられ、2025年分(令和7年分)の所得から適用されます。所得税の納税額が少なくなる効果がありますので、皆さんの手取りを増やす方向での改正となります。
 この基礎控除の改正ですが、2025年(令和7年)12月以降、基礎控除の額が一律58万円に引き上げられる(これまでは48万円)とともに、その中でも低所得者には最大95万円まで控除が適用される段階的な仕組みが導入されます。
 改正後の基礎控除額は以下の表のとおりで、所得が低い方については、段階的に控除額が大きくなる形となっています。
 そして、2025年(令和7年)・2026年(令和8年)のみ基礎控除額が大きくなります。これは、2025年~2026年限定の「時限的な税制緩和措置」が実施されているためです。中間所得層に対する負担軽減を目的とした政策判断であり、2027年(令和9年)以降は恒久制度として一律58万円(高所得層を除く)に戻される予定です。
合計所得金額の改正前と改正後の表
合計所得金額の改正前と改正後の表
 このように、新しい制度は、控除額が「一律」ではなく、「所得に応じて変動する」形となっていますし、2025・2026年は、変動する額も複雑になっています。したがって、「自分がどの控除額に該当するのか」を判断することが、これまで以上に重要になります。
 なお、注意すべきは、基礎控除額の判定に利用する「合計所得金額」は、フリーランスエンジニアとしてお仕事をした「事業所得」以外にも給与所得や配当所得などの全ての所得を合算した金額となる点です。複数の収入がある場合には、注意して判断しましょう。
扶養親族の所得に注意!
 パートやアルバイトでお勤めの配偶者や学生のお子様がいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。2025年の税制改正では、基礎控除の引き上げとともに、扶養対象となる人の範囲も拡充されています。この改正は「会社員」世帯向けの内容に見えるかもしれませんが、扶養している(したい)配偶者やお子様・ご両親などがいるフリーランスエンジニアにも大きなメリットがある改正です。
 扶養の範囲は2段階で拡充されています。
① 所得要件が「48万以下」から「58万以下」へ
 従来、配偶者控除や扶養控除の対象となるためには、扶養される人(配偶者や親族)の「合計所得金額」が48万円以下である必要がありました。しかし、2025年分以降はこの条件が58万円以下へと引き上げられます。
② 給与所得控除の拡充
 さらに、2025年の税制改正では給与所得控除も合わせて見直しされています。給与所得控除は、会社等から給与を受け取っている「会社員」の方が受けられる控除ですので(給与所得がない)フリーランスエンジニアの方には直接関係がない制度ですが、パートやアルバイトでお勤めの配偶者や学生のお子様は、給与を受け取っていますので関係があります。
 この見直しにより以下表のとおり、給与所得控除額が拡充をされます。
年間の給与収入と給与所得控除の改正前と改正後の表
年間の給与収入と給与所得控除の改正前と改正後の表
 この2つの拡充により、パートやアルバイトでお勤めの配偶者や学生のお子様がいらっしゃる場合は、受け取っている給与収入がこれまでより20万円多くても扶養対象となる可能性がでてきます。
合計所得58万円=給与収入(123万円)ー給与所得控除65万円
合計所得58万円=給与収入(123万円)ー給与所得控除65万円
 これにより、家族の就労の幅を広げながらも、フリーランスエンジニアご自身の節税メリットを維持しやすい形となっています。毎年のことですが、まずは、扶養する(したい)方がいくら給与をもらっているのかをよく確認しましょう。
2026年中に2027年を見据えた行動を
 次のテーマは、フリーランスエンジニアの皆さまには、必ず押さえておいていただきたい「消費税」のお話です。
① まずは、消費税の課税事業者判定を!
 以前のコラムでもご案内していますが、その年に2割特例が利用できるのかは、2年前の課税売上をみて判断します。(他にも判定基準はありますが、大半のフリーランスエンジニアの方は当てはまりませんので、説明を割愛しています)
 例えば、2025年(2026年申告)であれば2023年の課税売上、2026年(2027年申告)では2024年課税売上を参照して判断します。
課税売上高による納税義務の有無
課税売上高による納税義務の有無
 なお、1000万の判定に利用する課税売上ですが、2年前の時点で、課税事業者(インボイス登録している)か免税事業者かで、以下のように1000万の判断基準が変わります。
2年前が課税事業者→税抜で1000万超か判定、2年前が免税事業者→税込で1000万超か判定
2年前が課税事業者→税抜で1000万超か判定、2年前が免税事業者→税込で1000万超か判定
※2025年(2026年申告)で利用する2023年課税売上のみ特殊な計算をするため詳細は前回コラムを参照ください。(末尾バックナンバー参照)
 そろそろ、2025年の売上が合計いくらになるのか集計ができてくる頃かと思います。2025年の課税売上は、2027年(2028年申告)の課税事業者判定に利用します。ちょっと先の話ですが、2027年にどういう対処が必要なのか、2025年売上を踏まえて考えていく必要があります。
② 2割特例について
 ①を踏まえたうえで、ここからが本題となります。インボイス登録をされて消費税の課税事業者となっている多くの方がご利用されている「2割特例」が2026年(2027年申告)で終了となります。(ただし、延長を検討する旨の報道も出ており、本コラム執筆時点で、本当に終了になるのかは流動的な部分があります)
 2割特例を利用されている方は、これまで、売上(課税売上)に係る消費税額の2割だけを納税すればよく、例えば、売上で預かった消費税が80万円なら納税額は16万円で済ますことができました。ですが、特例終了後は、原則課税(売上消費税-仕入消費税)または簡易課税制度(みなし仕入率を使った計算)での納税方法となります。同じ条件であれば、2割特例利用時よりも納税額が多くなるケースがほとんどになります。
 ただし、多くのフリーランスエンジニアの場合、原則課税よりも「簡易課税制度」を利用された方が納税額を抑えることができる可能性があります。
 この「簡易課税制度」ですが、事前申請をしなければ利用することができません。(申請しなければ原則課税が適用されます)そして、その申請期限は、(様々な条件がありますが)多くの場合、適用したい年度の前年までとなります。つまり、2027年(2028年申告)から簡易課税を適用したい場合は、その前年である2026年中に「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に申請する必要があります。
 少し先のことかもしれませんが、申請漏れがないように、早めの対応をお願いできればと思います。
※消費税の判断には、上記以外にも要件があります。詳細は税務署・税理士等の専門機関にご確認ください。
< 執筆者のご紹介 >
川人 広平(かわひと こうへい)
税理士法人アクシス代表社員
税理士・公認会計士

大学卒業後、税理士法人にて、税務申告、税務コンサルティング業務を経験。
その後、コンサルティング会社にて、経営コンサルティング業務に従事。
2019年より税理士法人アクシスに入社し、現職。
川人 広平(かわひと こうへい)
税理士法人アクシス代表社員
税理士・公認会計士

大学卒業後、税理士法人にて、税務申告、税務コンサルティング業務を経験。
その後、コンサルティング会社にて、経営コンサルティング業務に従事。
2019年より税理士法人アクシスに入社し、現職。
PE-BANKからのお知らせ
PE-BANKでは、プロエンジニアの皆様に向け、PE-BANK確定申告サポートを提供しています。
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詳細/申込はこちら:https://myp.pe-bank.jp/events/detail/5359
合わせて読みたい!税務関連バックナンバーのご紹介
< フリーランスエンジニアのための税務シリーズ >
・第82号( 2025. 2.21 発信 )
2024年度 2025年分確定申告注意すべき点!および 2025年度税制改正大綱について
・第81号( 2024.12.20 発信 )
2024年度 確定申告のポイントと準備のすすめ
・第76号( 2024.02.22 発信)
フリーランスエンジニアのための経理を効率化するコツ
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「がんばれ! PE(ぺー)助 」
PE共済会費ことPE共済会の『月額共済会費』は確定申告上、生命保険控除の対象ではありません。自家共済として、事業継続に必要な所得補償を中心とした制度のため、経費とすることができます。収入から直接差し引かれるので、一般の保険料に比べて節税効果が高くなります。
また「所得補償手当て」「入院お見舞金」「がん共済」などの給付金は、非課税扱いとなり、そのままお受け取りいただけます。(ただし、医療費控除を受ける際には、「補てんされる金額」として扱われます)
その他ご不明点がございましたら、お気軽にPE共済会までお問い合わせください。
次回もお楽しみに!!
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