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| ―― 「休養ベスト100」の表紙の “休むこと=投資”の文字が、ひときわ目を引きます。なぜ休むことが投資になるのでしょうか。 |
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| 加藤:ビジネスパーソンの能力は【スキル × 人脈 × 健康力】で決まり、私はこれを「ビジネス戦闘力」と呼んでいます。ビジネス戦闘力の3要素のバランスは、年齢とともに変わります。 |
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| 20~30代のうちは時間は無限にあります。ビジネス書などを読んで吸収しては【スキル】に変えていき、ビジネス戦闘力を上げる時期です。その時期は【健康力】も無限にあるので、150%くらいで頑張っても頑張れてしまいます。 |
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| 私自身、スタートアップを立ち上げる前の30代前半の頃までは、業務委託を受けながらがむしゃらに働いていました。多少無理をしても問題なかったし、「働けば働くほど収入は増える」という感覚でした。 |
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| しかし、35歳ぐらいになってくると徐々に体の無理がきかなくなってきます。二日酔いが翌日まで残るようになったり、以前なら疲れていても眠れば翌朝はすっきり回復したのに、朝起きても回復しなかったり、何か食べると胃がもたれる気がしたり、カルビのような脂っこい肉は「きついかな」と感じたり。こうした変化が出てくるのは、だいたい40歳前後です。 |
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| この40歳前後を境に、ビジネスのゲームは変わります。この年代になると積み上げてきたスキルは一定化し、それまで積み上げてきたテーマのスキル本はあまり読まなくなります。そこで、ビジネス戦闘力は【人脈】を掛け算することで上げていくフェーズに入ります。一方でこの頃から【健康力】の数値がどんどん落ちてくる。せっかくスキルと人脈を積み上げても、健康力が「×0.6」では、ビジネス戦闘力は下がってしまいます。 |
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| だからこそ、「健康力」のケアが必要なのです。例えば睡眠時間。深夜2時まで働いたから7時まで眠れればいい、ではなく、最初から7時間ぐらいの睡眠時間を確保する。40歳を過ぎたら戦略的に休むことで自分のパフォーマンスを最大化する必要があるのです。 |
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