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メルマガ2026.06.26

■PE共済会 メールマガジン【 第90号 】

< 共済まんが >「がんばれ! PE(ぺー)助 」
今日はプロエンジニアのお宅へお邪魔して料理のお手伝いをすることになったPE助。さて、その腕前は? (まんが 百万 友輝)
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本格的な梅雨の時期、蒸し暑いと感じる日も増えてきました。ついついエアコンを強めにかけてしまいたくなりますが、燃料高を受けた電気代も気になりますよね。そこで、エアコンに頼らない昔ながらの涼のとり方として、風鈴を取り入れてみてはいかがでしょうか。
風鈴には、脳の錯覚で「涼しい」と感じる効果や、リズムのゆらぎによるリラックス効果などがあります。スマートフォンやスピーカーから音を流すのも良いのですが、最近の風鈴は消音機能が付いているモノや、卓上タイプなど、現代風にアレンジされた商品もあるようです。静寂よりも適度なノイズがあるほうが仕事がはかどるという方はぜひ試してみてください。
さて、度々ニュースで取り上げられている「高額療養費制度の見直し」。いよいよ8月から改正されます。ほかにも診療報酬改定により、近い将来、私たちにも大きな影響を受ける可能性が見えてきています。今後の備えとしてぜひ知っていただきたい内容です。今月も最後までお楽しみください。
PE共済会 事務局 藤原
はじめよう!
「ジブンゴト健康経営」
改正健康保険法と診療報酬改定で
これからの医療はどう変わる?
監修:溝口博重さん(株式会社AMI&I代表取締役・NPO法人医桜代表理事)
文 :中保裕子(医療ライター)
 5月末の国会で、改正健康保険法が成立しました。高額療養費制度の変更は今年8月から始まります。自己負担が全体的に増える一方、少子化対策の一環として、出産費用0円を目指すという施策も織り込まれています。今回は、改正健康保険法と2026年診療報酬改定の内容から、これから変わる点と医療の将来像を見ていきたいと思います。
「がん」だけじゃない!?
「高額療養費制度の自己負担上限額引き上げ」とは
 まずは今年8月から「高額療養費制度」が変わります。高額療養費制度とは、1か月間に医療機関や薬局で支払った自己負担額が一定の上限(自己負担限度額)を超えた場合、その差額が公的医療保険から支給される制度です。高額な医薬品が開発され、がん治療はもちろん、関節リウマチや喘息、アトピー性皮膚炎などでも月に数万円以上の治療費がかかることもあります。健康な時にはイメージできなくても、いざ当事者となった時にはまさに命綱と言える制度です。
 8月からは所得の多い人ほど限度額が上がります。厚生労働省の原案では、例えば年収770~1,160万円の人の場合、従来の限度額は167,400円+治療費全体の1%でしたが、今年8月からは179,100円+1%となります。2027年8月からは年収によって分かれ、950万円の場合194,400円+1%、1,040万円の場合は 209,400円+1%となります。
 新たな救済措置として年間トータルの上限額が設けられ、長く治療する人のために4回目以降の限度額を減らす「多数回該当」の金額は据え置きとなったものの、年収1,040~1,160万円で多数回該当に当てはまらない場合は従来の502,200円から628,200円(+1%を除く)にアップします。大企業の健康保険組合には治療費の補助としてもらえる「付加給付金」の制度がありますが、プロエンジニアが加入する国民健康保険には、原則としてこの付加給付はありません。そのため、自己負担限度額の引き上げがそのまま家計の直撃を受ける形になります。所得に応じた負担ではありますが、高所得者ほど保険料も高く、さらにいざという時の自己負担額も増える形になるため、制度の公平性をめぐる議論は今後も続きそうです。
(※実際の金額については変更の可能性もありますので、最新の数値をご確認ください。)
図 : 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」(案)
「処方薬は安い」の常識?は消える
「同じような市販薬と処方薬があるなら、医者でもらった方が薬は安い」と思っていた人がいるかもしれませんが、それはどうやら今後は通用しなくなりそうです。
 保険適用の処方薬のうち、市販薬(OTC医薬品)と同じ成分の77成分、約1100品目については「OTC類似薬」として自己負担額が上げられることになりました。身近なところでは花粉症やアレルギー性鼻炎の薬「アレグラ」、鎮痛剤の「ロキソニン」、総合感冒剤の「PL配合顆粒」、水虫薬の「ラミシール」、うがい薬の「イソジン」などの他、アトピー性皮膚炎の人の必需品、ステロイド軟膏も入っています。仮に薬価2,000円の薬はこれまで600円(3割負担の場合)でしたが、27年3月からは概ね950円になります。子どもやがん患者、難病の方などはこれまで通り1~3割負担のみとなっているものの、常用薬が必要な人には“塵も積もれば山”となりそうな変更です。
出産費用は自己負担なしへ。ただ新たな問題も…
 一方、これから子どもを持ちたい人にはちょっとよい話に思えるかもしれないのが「分娩の無料化」です。現在は自由診療である正常分娩に国が公定価格を定め、少子化対策として自己負担をなくすというもので、遅くとも28年中には開始という報道があります。ただ、手放しに喜べない問題もあります。産婦人科施設にとっては、ただでさえ少子化で分娩需要が減っているところ、国に低料金を定められるとリスクの高い分娩診療を続けるモチベーションが下がってしまい、これを機に分娩を中止する施設が増えるという懸念もあります。特に地方は産婦人科の減少が加速し、「里帰り出産」が難しくなる可能性があります。
クリニックは「足りない地域」へ向かう時代に
 診療報酬とは、医療機関が提供する診察・治療・投薬などのサービスに対して公的医療保険が支払う報酬のことで、国が2年ごとに見直します。2026年は診療報酬改定の年で、6月から報酬体系が変更されます。「今回の改定は日本の医療の将来を示唆するものになっている」と話すのは病院経営・マネジメント支援を専門とする溝口博重さんです。

画像:診療報酬改定と今後の医療について講演する溝口博重さん(2026年5月24日「いい病院の勉強会」にて)
 診療報酬とは、医療機関が提供する診察・治療・投薬などのサービスに対して公的医療保険が支払う報酬のことで、国が2年ごとに見直します。2026年は診療報酬改定の年で、6月から報酬体系が変更されます。「今回の改定は日本の医療の将来を示唆するものになっている」と話すのは病院経営・マネジメント支援を専門とする溝口博重さんです。
画像:診療報酬改定と今後の医療について講演する溝口博重さん(2026年5月24日「いい病院の勉強会」にて)
「2040年には団塊ジュニアが65歳を迎え高齢者人口はさらに増加します。一方で、介護人材の不足、現役世代の減少など、社会保障を支える財源やサービスの担い手不足が大きな課題になります。診療報酬改定は医療機関の行動を変えるための政策手段です。今回の改定には、2040年を見据えた医療提供体制の再設計につながる内容が数多く盛り込まれています」
 溝口さんによれば、医療改革のキーワードは、①クオリティ(医療の質)②アクセシビリティ(受診しやすさ)③医療コストの適正化、そしてそれらを支える④デジタル化です。報道されているとおり、現在、日本の病院の約7割が赤字(25年9月厚労省資料)と、病院の多くは厳しい経営環境に置かれています。特に人口減少が進む地域では医療機関の維持そのものが課題となっています。
「今後も病院の統合や再編は進む可能性があります。また人口減少が進む地域では、2040年に向けて診療所(クリニック)数の大幅な減少も見込まれています。保険料を支払っていても、近くに医療機関がないという事態を防ぐことが重要です。そのため国は、診療所が過剰な地域と不足する地域の偏在是正に取り組み始めています。診療所が多い地域では地域医療への協力を求める仕組みが導入される一方、医療資源が不足する地域への誘導策も進められています」
 今後、新しい診療所は、都市部よりも地方での開業を目指す――そんな動きが徐々に始まっています。
生活習慣病の治療は“結果重視”に
 また、6月から、生活習慣病に関連する診療報酬に「充実管理加算」が加わります。これは患者さんの治療の継続や、重症化や入院の有無など“結果”のデータをもとにして診療所を評価することです。
「漫然と前回と同じ処方箋を出していてあまりに“成績”が悪いと加算が取れず、診療所の収入が下がるというものです」
 この加算によって、かかりつけ医が数値改善により積極的に取り組むようになるなど、患者さんへのケアの質が変わる可能性も期待できます。
 さらに将来的には、薬の選択にも影響するのではないかと溝口さんは見ています。特に高額な医薬品については、保険適用であっても、使用する医療機関が限られる方向にあるそうです。
「イギリスやフランスでは、特定の薬剤は特定の医療機関でしか処方できません。使用する頻度が少なく医師が自信を持って使うことができない薬を、『うちではできません』と言って断るのは医師の真摯な姿勢とも言えます。患者さんにとっては遠くの医療機関に行かなければならなくなるという不便はありますが、中立的に見ると悪いことばかりではないと思います」
キャンセル料や予約料の考え方も変わる?
 さらに、保険診療とは別に患者が負担する費用の考え方にも変化の兆しがあります。日本では原則、保険診療と自由診療を1つの治療の中で同時に組み合わせる「混合診療」は医療の経済格差を防ぐために禁止されていますが、差額ベッド代や紹介状なしで大病院を受診した場合の特別料金など、一部の費用については患者が追加で負担することが認められており、「選定療養費」と呼ばれています。既に大学病院などの大病院では、紹介状なしで初診で受診した場合、医療費とは別に数千円~1万円超を請求するケースもあります。少しでも医療費を抑えたい個人事業主にとっては、まずは身近なクリニックを受診することが原則です。
 近年は病院内の予約システムやオンラインシステムなど、保険診療そのものではないサービスに対しても、病院は一定の費用を負担しています。例えば支払う側にはとかく便利なキャッシュレスですが、取引金額の数%の手数料が発生しており、これまでは医療機関の持ち出しになっていました。予約に関しては、患者さんが検査の予約をキャンセルした場合、医療機関には検査室やスタッフなどの実損が発生します。
 こうした費用の取り扱いをどうするかについても、整理が進められています。現在のところ、病院が予約料やキャンセル料を自由に患者に求めることができるというわけではなく、徴収は限定的なものですが、今後も検討が続きそうです。
「患者さんの利便性向上や医療機関の運営には一定のコストがかかります。一方で、保険診療との線引きも必要です。今後は医療費だけでなく、医療に付随するサービスの費用負担についても議論が続いていくと思います」と溝口さんは話します。
オンライン診療も医療提供体制の一部として重視
 今回の診療報酬改定で存在感を増したのが「オンライン診療」です。コロナ禍をきっかけに急速に普及したオンライン診療ですが、ともすれば「待ち時間不要」「多忙な人が受診しやすい」等、便利さがクローズアップされがちな面がありました。今回の改定ではオンライン診療を単なる利便性向上の手段としてではなく、将来の医療提供体制を支える仕組みとしての位置付けがより明確になりました。
「2040年に向けて人口減少が進む中、地方では診療所や病院の維持そのものが難しくなる地域が増えていきます。これまで日本は『どこに住んでいても近くに医療機関がある』ことを前提としてきましたが、その前提自体が変わろうとしています」
 今回の改定では、オンライン診療を実施するための体制や地域医療との連携が重視されました。これは単にオンライン診療を増やしたいというよりも、限られた医療資源で冒頭に述べたキーワード②のアクセシビリティを維持しようという考え方の表れではないか、と溝口さんは考えています。
「都市部では便利なサービスとして語られがちなオンライン診療ですが、本当に重要になるのは地方です。近くに診療所がない、専門医がいない、通院に1時間以上かかる。そうした地域では、オンライン診療が医療への入口になる可能性があります。今後は都市部の利便性向上よりも、地方の医療アクセスを支えるインフラとしての役割が大きくなるでしょう」
 オンラインだけで医療が完結するわけではありません。必要に応じて対面診療や地域の医療機関につなぐ体制も重要になります。これまでは北海道在住の人が東京の診療所のオンライン診療を受けることもできましたが、今後はいざ体調が悪化したときにも対面受診ができるように、その地域の医療と連携していく体制になっていきます。メンタルヘルスのオンライン診療もオンラインではカウンセリングを中心とし、薬の処方は対面が基本となります。
「厚労省は、オンライン診療を対面医療の代替ではなく、地域医療を支える新たな手段として制度の中に組み込もうとしているようです」(溝口さん)
負担増は免れない。いざという時のための備えを
 結論としては今後、患者の負担が増えることは間違いありません。高額療養費制度の変更、選定療養費。「充実管理加算」のような新たな診療報酬も、3割負担として私たちに跳ね返ってきます。
 費用の面だけでなく、医療のアクセスしやすさ自体が今までとは変わる可能性があることを踏まえると、対面でも、オンライン診療でもよいのでかかりつけ医を持ち、生活習慣病などをきちんと管理してもらうこと、いざという時に大病院を紹介してもらえる体制を作っておくことは重要でしょう。また、保険診療であっても高額な医療費がかかること、その間の収入が減ることを想定して、金銭面での備えも十分に検討しておきたいものです。
【監修・お話】溝口博重さん
AMI&I代表取締役、NPO法人医桜 代表理事。2010年1月、医療機関の人材採用・組織マネジメントを中心とした経営支援を実施するAMI&Iを設立。国内外の医療制度・政策比較に詳しく、ヘルスケア関連の商品・事業開発にも従事。ヘルスケアをテーマとした、勉強会、交流会を開催する「場」である「Tokyo HealthCare Network」を主宰するなど、精力的に活動している。
【監修・お話】溝口博重さん
AMI&I代表取締役、NPO法人医桜 代表理事。2010年1月、医療機関の人材採用・組織マネジメントを中心とした経営支援を実施するAMI&Iを設立。国内外の医療制度・政策比較に詳しく、ヘルスケア関連の商品・事業開発にも従事。ヘルスケアをテーマとした、勉強会、交流会を開催する「場」である「Tokyo HealthCare Network」を主宰するなど、精力的に活動している。
【ライター】中保裕子(なかほゆうこ)
医療・健康ライター。有限会社ウエル・ビー代表取締役。広告代理店マーケティング企画部勤務、マーケティング企画会社取締役を経て1993年に独立、個人事業主として活動後、2003年より法人化。 医療・健康情報の取材・記事執筆や医療系インタビュー調査に従事。
【文】中保裕子(なかほゆうこ)
医療・健康ライター。有限会社ウエル・ビー代表取締役。広告代理店マーケティング企画部勤務、マーケティング企画会社取締役を経て1993年に独立、個人事業主として活動後、2003年より法人化。 医療・健康情報の取材・記事執筆や医療系インタビュー調査に従事。
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共済まんが
「がんばれ! PE(ぺー)助 」
自身の健康に責任を持つ、いわゆるセルフメディケーションの領域が拡大しつつあります。体が資本のフリーランス。日々の努力に加えて万が一の備えも考えたいところです。PE共済会には「入院お見舞金」や「所得補償手当て」など、ケガや病気の際に役立つ保障があります。
次回もお楽しみに!!
漫画<百万 友輝>
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